第二話 初依頼に二度目の気絶
少し前の話のサブタイトルを編集したり誤字脱字を編集しました。
名前を書き冒険者証明書をもらう。いろんな町に入るのに便利らしい。
そして冒険者証明書、通称冒険者カードにはA rankと書いてあった。
「kカップ級というのはあくまで総称でして実際のランクはFからAとなっています。例外もいますが胸の大きい方が魔力量が多いためそう呼ばれているのです」
できればkカップ級だなんて呼んで欲しくないな。kカップ級の冒険者と仲良くするのは非常にいいのだが。ケフンケフン
とにかく今の俺は宿代も持ってないので早速依頼でも受けるか。
「えっと、受けれる依頼ってありますか? 出来るだけ稼げるので」
「少々お待ちください。現在受けれるのは一番高いものはBランクのものでモンスター討伐となっています。報酬は金貨2枚となっています。」
「ええと、金貨1枚ってどんぐらいの価値なんでしょうか?」
「銅貨100枚、銀貨10枚と同じ価値です。また金貨10枚で聖金貨1枚の価値があります。そうですね。分かり易くいえば馬車を買えるくらいが金貨二枚です。果物一つが銅貨三枚といった処でしょう」
なるほど、とするとかなり美味しい仕事ということか。
前まではブラックな感じだったからなー。
と、進は前世での仕事を思い出し吐き気がする。よくもまあ、12時間労働なんてしてたな。
「じゃあ、その依頼を受けます。で内容は?」
「トロールの討伐でございます」
「じゃあそれで頼むよ」
初めての依頼に気分ウキウキだった俺はまさかあんな事になるとは思ってもいなかった。
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トロール討伐の依頼を受けた俺はトロールがいるというノーテルの南にある俺がいた洞窟の反対側の
トレントの森に向かっていた。
トレントの森というからにはあのゲームみたいな可愛いトレントに会えるだろうかと妄想が膨らむ。
会えたらまあトロール討伐は別にいいからトレントの人達とあそ……異世界交流するのもありだなーなんて考えたりなかったり。
しばらく歩くと、トロールがいるとされる穴蔵を見つけた。
少し足を踏み入れると少し異臭がした。
間違いない。ここにトロールがいるんだろう。歩いていて魔物に合わなかったのはトロールが居るからだろうか。とするとこのトロールって……結構強いんじゃね!
(トロールなど問題ないでしょう。所詮はBランクの雑魚です)
アドラメレクによると大丈夫らしいが。
まあ、行ってみるしかないか。
中に入っていくと異臭は一層強くなった。
あたりには動物の骨が散乱しているので臭いの原因はあらかた想像がついた。
すると足音がこちらに近づいてきた。どうやらお出ましのようだ。
「グウォォォォォォ!」
さて地味に俺の意識的には初戦闘。
正直言って…………
ブルってます!!
いや最初はカッコよく倒してやろうと俺持ってたけどそもそも武器もねーし!
魔法?
使ったことないですよ!
(私の力を使えば良いのです。)
(おお! でどうすればいいんだ。)
(幻闇炎と魔力を込めて唱えれば良いのです)
(わかった!)
進は自然とアドラメレクを認めていた。自分を救った存在だからだろうか?
「幻闇炎!」
力を込めると自然と魔力がみなぎっている感じがした。
唱えると暗黒の炎がトロールを包み込む。
「おお! 魔法凄え!」
(クックック、この魔法は対象の魔物を中位の暗黒炎で包み灰にする対個人魔法なのです)
ふむ。これでさっき黙っていた時の罪は帳消しにしてやろう。
(この調子で最強のkカップの座を取りましょう!!)
やっぱり許さねえ。絶対許さん。
ま、これで飯代ゲットだな。
あとはトロールの耳を持っていって証明すればいいんだったか。
いい感じに切り取れるものはないかね。
(闇切ならいけるでしょう。)
(了解!)
「闇切!」
黒い衝撃波がトロールの耳を切りとる。
ちょっとグロいのであまり見ないように耳をどこにしまおうかと迷っていると
体に能力が新しく使えるようになった感覚がエネルギーの流れで感じられた。
そして脳でその能力を瞬時に理解する。
「亜空間収納」
そう唱えると亜空間へと繋がる顔サイズのゲートが出てくる。
これで持ち物問題は解決だが、一応荷物は手で持っておかないとまた怪しまれそうだから、帰ったら何かしらバッグでも買っておいてもいいかもな。
まぁ、剣を携えておけば大丈夫か。冒険者って言えばいいし。剣をまずは買おう。
物価がどんなもんかわからないが金貨2枚はそこそこ高額だろうし当面は大丈夫だろ。
そうして進の初戦闘は勝利として終わった……と思われたが、Bランクのトロールはそんな簡単な相手ではなかった。
「なに!?」
片耳を失い闇の炎で焼かれたはずのトロールが立ち上がったのだ。
「グッ、グゥゥ……」
あれで死なないのかよ……
Bランクモンスターって思ったよりタフなんだんな。
(もう一発お見舞いしてやりましょう。)
「幻闇炎!」
再びトロールを闇の炎が包み込みその身を焼き尽くす。
「これでどうだ?」
フラグを立てないように慎重に言葉を選びつつ様子を伺う。
炎の中からところどころ焼けているトロールがゆっくりと歩いてくる。
「おいおいまじかよ……炎は効かないってか?」
「グォォォォォォ!!!」
「ならこれなら! 闇切」
闇の衝撃波がトロールの右足を切断する。
「グウオオオオオオオオオオ!!」
トロールが進の目の前に倒れ込む。
「さすがにもう起きてこないよな。」
ちょっとビビリながらトロールの穴蔵を出ようとすると
急に力が抜けるように手をついてしまう。
「体に力が入らない……」
(おそらく魔力の使いすぎでしょう。)
(それをもっと先に言えよなー)
(ふむ。まだ魔力を使いこなせてないから魔力が放電する様に漏れ出てしまっているようです。それを直せばこのようなことにはならないかと。)
ああ、またかよ……
そうしてまた眠りにつく進であった。
トロールの死体とともに
次もよろしくお願いします。