プロローグ
執筆始めます。よろしくお願いします。
プロローグ
32歳独身 近藤進 なんてことない会社員なんだが……
なぜこんなことになってしまったんだろうか、本当に苦労の絶えない人生である。
会社では上司と仲が悪いし、彼女も32という年齢で未だ1人もいたことがない。
そんな人生の唯一の楽しみの、休日という素晴らしい日にベッドで音ゲーをやっていたんだが……
いつのまにか寝落ちしてしまったのだろうか。
手に感じる冷たい感触。
感覚はある。音も聞こえる。
目は……周りが暗くてよく見えないな。
ここは一体……
俺は……なんでこんなところに?
とりあえず少し移動してみるか。
何も見えない暗闇をツタが蔓延る壁をつたってただひたすらに歩いていく。
1時間ほど歩いただろうか、最初はこの暗闇もあいまって幽霊でもでるんじゃないかとビビっていたが、目も慣れてなんとなくどんなところか分かってきた。
どうやら人口のトンネルではないらしい。ゴツゴツした岩肌に整備されていない地面。
トンネルとゆうより洞窟と言ったほうがいいか。そんな印象を受ける場所だった。
その間人に会う事はなく観光地とゆうわけでもないのだろう。
状況はわかったがこれマジでどこかもわからない場所に拉致でもされたのか。
そんな感じの状況整理をしていると少し焦りもでてきた。
「俺の命運もここまでか……ついに彼女の一人も出来なかったな……」
俺の人生、色々経験はしてきたが、彼女だけは1人も出来なかった。自嘲しても仕方ないけど、言いたくなるのも仕方ないだろう?
そんなことをぼやいていると先に光が見えてきた。
とにかくまずはでてみようと光に向かって走る。ジャージということで動きやすくもあるのだが、なんだか体が軽い感じがする。
走ることに快感を覚えながら、光の先に飛び出る。
するとそこには……
見事なまでの鬱蒼とした緑。
どうやら本当に命運はここまでのようだ……
何処かわからないけど樹海とかだったらもう命はないな。
すると、前方からこちらに向かって何やら近づいてくる音がする。木々が揺れ、鳥達が木から飛び立つ。
それも、団体のようだ。
俺は身構えて様子を伺う。
すると、でてきたのはなんと青い毛がたなびく10匹の狼であった。
「お、オオカミ!?」
(刺激するとまずい……とか言ってる場合ではもはやない! オオカミとか初めて見たけどこっわ! マジこっわ!)
と、意外にも冷静に、大声を出して刺激しないよう心で叫ぶ。何故だろうか、知らない場所というのに恐怖心もあるが、同時に諦めの念もあるせいか、多少オオカミへの恐怖心が軽減されているのかもしれない。
(考えろ! 何かないのか!)
「グウウウ」
唸り声の威圧に気圧される俺。どうやら見逃してはくれないようだ。
ここで弱みを見せたら一気に押されてしまう。ここは踏ん張るんだ!
こちらも負けじと威嚇でもしてやろうかと思った瞬間。
無駄のない動きで颯爽と俺とオオカミの間に入った長い緑髪の、白いマントとプレートを纏った女性が現れた。腰には剣を携えている。
「フッッ!!」
素人目でもわかる洗練された剣技でオオカミを切り捨てていく。
なすすべなくオオカミは斬り伏せられていく。
これ動物愛護団体に怒られないだろうか。銃刀法違反だし。そんなことも思ったが、まあこっちも殺されそうだったんだし正当防衛だろ。ということで忘れることにした。
1分もかからずにオオカミ10匹を駆除すると女性がこちらに歩いてくる。その姿はとても美しく、人生で初めてみるような美女だった。
にしても、見た目的には外国人だろうか。姿は中世騎士のアニメかなんかのコスプレみたいだが。とにかく助けてもらったことに違いはない。
「えっと、助けていただきありがとうございます! 近藤進と言います。本当にありがとうございます!」
進は必死に頭を下げる。
「いいえ。対したことではありませんよ、私はリーゼと言います。このようなところで一人で旅でもしておられるのですか? その割には軽装のようですが、見た事のない珍しい服も着ていらっしゃいますし」
「あ、いやその、自分でもなぜここにいるかわからないといいますかー……
そもそもここは一体どこなんでしょうか?」
「ここは北の果て、復活の大地と呼ばれるノーテルというところです。
後ろの洞窟の最奥に祭壇があり、そこから神の力を授かりし者が降りてくるという逸話がある場所です。……いいえ、考えすぎですね、記憶を失っているのですか?」
「はい。なぜこんなとこにいるのか訳もわからず、ノーテルなんて聞いたこともないですし、日本で普通のサラリーマンをやっているんですけど、寝て起きたらこの洞窟の中にいて、出てきたら狼に襲われた感じです」
(洞窟から?)
リーゼは少しの思考の後
「ここから一刻ほど歩いたところに町があるので、そこで詳しくお話ししましょう」
(こんな美女と町へ!? ついに俺の人生にも転機が!!)
「はい。お願いします!」
進は最高の気分でリーゼについて行った。
1時間ほど森を歩いただろうか。
遠目に大きな町らしいものが見える。
その道中さっきのオオカミや見たことないようなモンスターと遭遇したが
リーゼさんが守ってくれた。
(不甲斐ない……)
自分の無力さと不甲斐なさを感じつつ森を歩いていく。
「町は大きいのですか?」
「ノーテルはそれなりに大きいですが、さらに超えた先にある城下町の2分の1程度でしょうか。人口は1万人ほどですね」
「ええと、ここはどこの国なんですか?」
「ここはフィンドルフ国の領地です」
(聞いたこともないな。)
「そういえば、先程日本でサラリーマンとか言ってましたが、わたしには何のことかわからないのですが、職業かなにかですか?」
「あ、いや日本という国で会社員をしていたのですが」
「日本? 聞いたことありませんね、知らない国がまだあるとは」
(日本を知らない? そんなこと今どきあるのか? まさかとは思っていたがこの人も軽い装備に剣ももってるし……まさかこれは!)
「異世界転移か!!!」
「急に叫ばれてどうしたのですか?」
進は思わず叫んでしまい恥ずかしくなる。
「あ、いえ、リーゼさんは旅をしてるんですか?」
「まぁ、そんなところです。ギルドはわかりますよね?」
「いえ! 全く!」
「はあ、まさかと思いましたがここからとは……
ギルドとは主にモンスター討伐や素材回収、人探しなどの依頼を請け負いギルドに入っている冒険者に依頼を行ってもらい報酬を渡す、報酬は依頼料の三割をギルドに、後は冒険者に入る。
そうやって生計を立てているのです。私もそのうちの一人です」
なるほど、ゲームみたいだな。ってかこれでほぼ確定だな、どう考えても異世界だ。
上がりまくっているテンションを抑えつつ状況を整理する。
(つまり俺は異世界転移して美女と二人きりでチート能力でなぎ倒すてきな展開か!?)
しかし変わった感じはしない、少し体が軽いぐらいだ。
「見たところ年齢は20歳前後といったところですか?」
「あ、うん、そんなところかな、あと君も同じくらいぽいし、敬語じゃなくていいよ」
「ええ、わかったわ、よろしく。近藤進君」
「進でいいよ、よろしくねリーゼ」
どうやら見た目は10歳ぐらい若返ったらしい。だからあれだけ走れたのか。これは大変嬉しいことだ。
互いに握手を交わしリーゼさんをみると目があい、進は少し照れてしまった。
すると急に真面目な顔つきになったリーゼが言った。
「あなたやはり、触れて確信したわ、……祭壇には触れさせない!」
「え?」
状況が理解できない。なにを言ってるんだ?
「ちょっと待ってくれ! なんのことだ!」
何も言わず剣を構えるリーゼ。
まずい、なんでこうなるんだ。
「おい! リーゼ! どうゆうことだよ!」
「黙れ! その溢れでる膨大な禍々しい魔力、それは悪魔のものだ!」
大方俺がなんか敵と勘違いしてるようだが、説得は難しそうだ。
打開策を全力で考えていると進に話しかけてくるものがいた。
(力を貸しましょうか? まあ私が出て殺ってもよいのですが)
なんとその声は脳に流れるように直接聞こえてきた。
そして何となく悟った。
この声は、悪魔の囁きだと……
二話もよろしくお願いします。