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正直に生きたい

制服を着て、リサに髪をセットしてもらい、私は姿見の前にいる。



うん。文句なく可愛い~~~!!!


感動する可愛さだわ~!


いけない、いけない、可愛すぎてヨダレがでそうだわ。

いやぁ~ご馳走さまです!



姿見をガン見している私の後ろでは、リサが自分の目元にハンカチを当てて泣いていた。



そんなにこの制服着せるのが夢だったの!?



少しばかり遠い目をしていると、

リサが何故か私に手を合わせて拝み始めた。



私まだ死んでないから!

さっき覚醒したばかりでバリバリ生きてるから!



「リサ…拝むのはやめてちょうだい。何だかソワソワするの。」



「すみません!あっ…あまりにアリスお嬢様が神々しぐでぇ~~~!グズッ…。」



すんごい泣いてる…。



あまりに泣いているので思わず頭をナデナデしてしまった。




うん。やっぱり、これだけ可愛い制服を諦めるわけにはいかないわ!



前世では本当に既製品通りの制服来ていた私。

シャツの裾出したり、スカート短くしたり、お化粧したりもしてなかった。


だって、自分の顔は自分が一番良くわかってたし、モブ顔なのに服だけ変に目立つのはなぁ…って思っていたから。

もちろん、モブ顔だって工夫して少しでも可愛くなろうとするのは、悪いことではない。



ただ、私にはその勇気がなかっただけなのだ。



前世の私だって本当はお洒落したかった!

なのに、モブ顔だからって勝手に諦めて…。


私は私を諦めてしまっていた。

1度死んだ今ならわかる。


他人の評価なんて本当はどうだって良かったんだって!

大事なのは自分がどうしたいのかだったんだわ!



自分が自分を認めてあげなきゃ、誰も私を認めてなんてくれない。



さっき、私は自分を見失ってた。

お兄様に言われて自分を隠して、普通に学園で過ごせればいいやって、そう思ってた。

前世の私みたいに普通に…。


でも、本当にそれでいいの?

本当はこの制服着たいんじゃないの?


お洒落したい。

可愛いくなりたい。




自分の事を好きになりたい…。



今世では、自分を好きになりたい!




お母様の言うとおり自分を偽っちゃいけないんだ!




「私…やっぱりこの制服を着て学園に行きたいわ。」



「お嬢様?」




私は振り返ると、リサの目をしっかりと見つめた。



「この制服を着て、リサに髪を編んでもらって、学園に行きたい!」



「ですが、学園に良からぬ事を考える輩がいるかもしれないと、お坊っちゃまが…私はアリスお嬢様に何かあったら生きて行けません!」


「リサも学園に通っていたのだから、知っているでしょう?警備は万全だって。」


「それは…そうですが…。」



心配かけるのは申し訳ないけど、

学園には我が家のように有力な貴族、ましてや王子さままで通うのだから、警備はかなり厳重なのだ。


「私、この制服を着なかったらきっと、後悔すると思うの!だから…私の我が儘かもしれないけれど、許してもらえないかしら?」



「アリスお嬢様!…うっ!」



リサがまた泣きはじめてしまった。



「リサ!?そんなに心配なの?ごめんなさい、我が儘言って…。でも私…」



「いいえ、違うのです!お嬢様がはっきりとご自分の意見をおっしゃるのを見て、感動してしまったのです。」


「リサ…」


「ふふっ。また少し成長されましたね。」



「もぅ!リサは大袈裟なんだから。さっ、さぁお父様達をお待たせしてはいけないわ!行きますわよ!」



「畏まりました。アリスお嬢様❤️」




恥ずかしさのあまり家族へのお披露目をすべく、そそくさと部屋を出た私にはリサの呟は聞こえていなかった。




「照れるとか、可愛すぎだろっ(ボソッ)」












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