レベッカとのキスについて
翌日、厨房でマリーに軽くキスをしてから、掃除のために西側の廊下に移動した。
キスばかりしているようだが、ちゃんと仕事もしている。
西側の廊下に行くと、床に細かい砂が落ちていた。
「あー……やっぱり砂が入っちゃってる」
換気のために窓を開けておいたら、強風で砂が入ってしまっていた。
モップじゃうまく集められないので、とにかくホウキで掃き集めるしか無い。
「うわっ、だるいなー」
ホウキを持ってきて、とにかく掃いていく。
大した量の砂では無いのだが、細かくて広範囲に散ってしまっているので、結構大変だ。
がんばって掃いていると、レベッカがのんびり歩いてきた。
「ちょうど良かった、アリス一人? 昨日はなんで私にキスしてくれなかったの?」
と、レベッカが掃き集めていた砂を踏んだ。
「レベッカ、そこ掃き集めたところ!」
「おっと」
レベッカが慌てて、後ろに下がる。
「手伝う?」
「もうちょっとだし、いいよ」
と、残りの砂も掃き集めて、ちりとりに砂を入れて、窓から外の地面に落とす。
「終わった?」
「だいたいね。あとはぞうきんで拭いた方がいいかな?」
「そんなに頑張らなくてもいいよ。どうせ、また砂なんて入ってくるしね」
と、レベッカが肩をすくめて言う。
「そうかー……最近風が強いもんね」
「この季節はそうなるの。……でさ、今、いい?」
レベッカが距離を詰めてきた。
「は? 今、掃除をしていたところで、ほこりっぽいんですけど。もっと身ぎれいなときにしてよ」
と、理由をつけて逃げようとすると、レベッカがさらに距離を詰めてきて、俺の肩に手を置いた。
しまった!
「そうやって逃げる気? いつでもキスするって言ったわよね?」
レベッカが目を細める。
「い、言ったよ! でも、限度があるでしょ! あの後、一日に4回ぐらいキスさせられたんだけど!」
「3回だよ!」
レベッカが憤慨する。
「似たようなもんじゃないですか。ほどほどにしてくださいよ」
「昨日は一度もしてないでしょ? だから、いいでしょ?」
レベッカが身体を押しつけてくる。
レベッカの方が身体が大きいので、威圧感がある。
「わ、分かりましたよ。やりますよ」
「ん」
レベッカが目をつむるので、ちょっと背伸びをしてちょんと唇を押しつける。
「これでいいですか?」
レベッカが目を開けた。
「何度も言わせないで。もっとちゃんとやらないとだめ」
「あー……もー……」
レベッカにはイライラさせられる。
毎回こういうやりとりがあって、結構消耗する。
「じゃあ、後悔するぐらいねっとりやればいいんでしょう! 本当にうるさいなっ!」
レベッカが準備をする前に、レベッカの唇に飛びつく。
すると、レベッカも応戦してくるので、レベッカの頭を抱えて力任せに唇を押しつける。
レベッカが振り払おうとしたところで、ちょっと離して自由にさせ、今度は耳を舐める。
本当はこんなことしたくない。
「ひゃっ! なにする……」
とレベッカが抗議しそうになったところを、もう一度唇を塞ぐ。
そこに無理矢理舌を突っ込んで、最後に頬をべろっとなめた。
「き、汚いっ」
レベッカが手で頬を拭う。
「これでいい!?」
「い、いいわけがないでしょ! で、でも、とりあえず我慢してあげる……」
レベッカが不機嫌そうにハンカチを取り出して、自分の顔を拭きながら歩いて行った。
「……はぁ」
ものすんごく、疲れる。
なんなんだよ、あのレベッカは。
何を考えているんだか、さっぱりわからない。
○コメント
しばらくキスラッシュが続きますが、そのうち終わるのでご安心ください。
というか、先の展開はまだまだあるんですが……改稿に時間がかかってなかなか投稿できないんですよ。




