森の中
ーー魔力なんて無くても這い上がってやる!
そんな事言ってもまだ私は子供だし、捨てられたのは森だったから、サバイバル知識もない私にはとても生きるのに厳しい環境でして…
まず一つ目の理由としては
「うー、お腹空いたー!」
そう、食べられる物がどれか分からない!
木の実とか、幼虫とかは食べられるって、前世にテレビで見たけど…幼虫はどうしても食べたくないし、木の実は以前食べたものが毒だったみたいで二時間ぐらい体が痺れちゃったし…
ちょっとトラウマになりかけてるんだよね…
でも、食べないと死んじゃうわけで…
「誰か私に食べ物を分けてくださーい!!!」
そんな事を言っても都合よく人がいるわけないしなー…
ガサガサ
…ん?まさか、私の声が誰かに聞こえたのかな!?そうだったら嬉しいなー!
「どちら様ですか?」
ガサガサ…ガサ!
目の前に表れたのは、人間ではなく
「お…大きな犬!?」
「グルルル…」
ああ…終わったな…私…
突然表れた犬の生暖かい息が私の顔にかかった。
目の前にいる犬の口元には人のものか、それとも他の動物のものかも分からない血がべったりとついていて、それを見た瞬間に諦めがついた。
この犬もお腹が空いているのかな?私、多分美味しくないけど、少しはお腹の足しになるでしょ…
そう思い、目を閉じた…
ガリッバギッ
「………ッ!」
頭からいってくれれば良かったのに…どうして腕から食べたのよ…
私の左腕は肘から先が無くなっていた。
大量の血も出た。でも、不思議と痛くは無かった。アドレナリンが出てるのかな?そう思った。
「ガルルル…」
私の血で濡れた口を開いた。次はどこを食べるんだろう。
私は冷静にそう思い、また目を閉じた…その時、
ガサガサガサ!!!
もう一匹、似たような犬がやってきた。
その犬は目の前にいる犬よりほんの少しだけ大きくて、毛並みは目を見張るほど、真っ白で美しかった。
この二匹に私は食べられるのだろうな…
そう思ったが、違ったみたいだった。
グシャッッッ!
「ガルルル!」
その犬は私には目もくれずもう一匹に飛び付き、そのまま殺してしまいました。
そして、こちらを振り返って、
「娘、腕を齧られたようだが、意識ははっきりとしているか?大丈夫か?」
人の言葉を喋った。
今すぐにでも"なんで犬が喋ってるの!?"
と言いたいけど、血を失い過ぎて目の前が白んできている…もう喋る気力もないよ…
「あ…うう…」
「良かった、生きてはいるのだな」
「今からちゃんと止血するから安心して眠っておれ。」
ああ、まって、まだ聞きたいことが沢山あるのに…
そして、私は気絶してしまった…
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投稿が遅れてしまい申し訳ありません!
遅れた原因としましては、パソコンが壊れてしまい、新しく買い換えるのに時間がかかってしまいました…
これからは一週間間隔で投稿できたらと思います。