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④モトカノバカリ

【前奏】

今現在付き合っている彼女が、大親友として連れてきた三人の女性が全員僕の元カノで、この曲の前奏が始まるちょっと前に、その女性たちは入ってきたのだが、この曲はドラマの重要部分で流れる曲だから、一気にドラマ感が出てきた。


【AメロBメロ】

元カノたちは、僕の顔を見ても特に動揺することはなく、元カノのひとりは付き合っていたときに僕にはお馴染みだった、頭上での手拍子を始めて、たぶん何も知らないであろう今カノの普通の表情が、ずしずしと心に染みてきた。


【サビ】

僕に告白してくれて付き合うことになった今カノと、僕から別れようと言って別れたひとりの元カノと、その他二人の元カノを目の前にして、また恋人をやり直そうよ的な内容のサビの歌詞を、多少の躊躇いも含みながら、僕はほぼ惜しみ無く歌に乗せた。


【間奏】

元カノも今カノも心配性という訳ではなく、かなり開放的で四人ともすごく似ていて、元カノと今カノという関係がもうすでにバレていても、もしもこれからバレたりしても、気にしないと思うので、落ち着かないのは、たぶん僕だけだろうと思っている。


【AメロBメロ】

今、歌っている『風船』という曲は、偶然だったり奇跡だったりをテーマにしている歌で、その偶然を表した歌詞の言葉ひとつひとつが、今カノと元カノ三人といる今の自分に重なって、もう歌を歌うどころではなくなってしまった。


【サビ】

僕が昔の想い出をキッパリと忘れよう忘れようとする性格なので、ずっと忘れていたが、この曲は元カノのひとりが大好きな曲で、元カノの前で一番歌っていた、元カノが一番好きだと言ってくれた想い出の曲で、そんなことに今さら気が付いて、胸はふんわりと締め付けられた。


【後奏】

僕が歌い終わったあとに、全ての元カノが、「イエーイ」という声を発していて、昔の懐かしさと、元カノが恋しい気持ちが溢れて、三人の元カノのことを順番に見つめてばかりいたら、今カノの頬が風船のようにパンパンに膨れてきて、今にも飛んでいきそうなほどだった。

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