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⑩セイミツサイテン

【前奏】

曲が流れ始めてから、鞄を漁って眼鏡を取り出して、急いで耳に掛けている姿が目に入ってしまって、今から歌うので急に緊張してきたけど、その人は幼馴染みで大親友みたいな人だから大丈夫だ。


【AメロBメロ】

歌い始めたら歌い始めたで、普通にしていた別の幼馴染みで大親友の人が、腕組みをして、腰掛ける場所にもたれ掛かって足を組んでいて、一気に大物感が溢れ出していた。


【サビ】

気持ちが昂ってきて、声量をどんどん上げていって、ビブラートやらを多用して熱唱していたら、眼鏡の友達がまた鞄を漁り始めて、何かを取り出していて、チラッと見ると、それはペラペラの紙一枚と黒いペンだった。


【間奏】

歌が一段落して、一回聞くという行為から解き放たれた大親友たちが、首をコキコキしたり、足首や手首を入念に回したり、腕を揉んだり、水を口に含んだりしていた。


【AメロBメロ】

二番に入ってからは、ひとりの大親友が、紙に採点メモのようなものを書き続けていて、この曲が終わる頃には腱鞘炎になるんじゃないかというくらいの勢いで、スラスラスラスラと書いていた。


【サビ】

大物感を出し続けていた方の大親友が、あの体勢のまま瞼まで閉じ始めて、両耳に軽くふんわりと曲げた手まで添え始めて、行きすぎた憧れやら自己陶酔やらが溢れていて、かなり怖くなってきた。


【後奏】

歌い終わってさりげなくメモを覗くと、ビブラートが心地よいとか、抑揚が完璧とか色々と書いてあって、その下に項目別の点数と、99.999点という合計点が書いてあって、引かれた0.001点は何?という疑問だけが残った。

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