第7話 ライゼンside
サブタイトルにもあるように、これが第一章最後のお話です。
もう少しで2000PV行きそうです。
記念になにかサイドストーリー的なの書いてみようかなと思う今日この頃。
ここに来て第一章にヒロインが1度しか登場していないことに気づきました。
もし閑話とか書く時は是非登場させたいですね。
ライゼンside
模擬戦の後、体力の消耗が激しかったのか、静かに眠るレインを見ながら模擬戦の内容を思い返す。
はっきり言って驚いた、いや最後の一撃に関しては木剣である筈なのに恐怖を感じた。それも軍に所属している大人が、まだ7歳の子供に対して、だ。
先程の模擬戦中に恐怖を感じた相手とは全く思えない寝顔を見ながら思う。やはりこの子は「異常だ」と。それは勿論いい意味で、である。「魔物」という人々にとって脅威的である存在がいるこの世界にて、いやそれがどのような世界だとしても強いことは別に悪い事ではなく、寧ろ望まれる才能である。だとしてもやはり異常なのだこの子供は。自慢では無いが、自分はこの国の軍に所属している身であり、更に大隊規模の兵を独断で動かせるだけの地位にいるし、それだけ自分にどれ程の力があるのかぐらい完璧に把握している自信がある。いくら手加減していたとはいえその攻撃を2分間余裕で、力を隠した状態で捌ききったのだ。さらに言えば後半は段々と力が入ってきて子供が受けたら軽く吹き飛ぶであろう威力と速度は出ていた。最後に関しては殆ど手加減のない、一撃だった。いったいこの国に、あの攻撃を初めて打ち合い、完全に防ぎあまつさえカウンターを入れて完全に俺を封じこめることの出来る者が何人いるのだろうか?少なくとも、軍の一般兵や小隊長レベルでは、防ぐことさえ困難だろう。中隊長クラスで防げる確率が高くなり、大隊長クラスならばほとんど確実に、防いでくるだろう。さらにあそこまで上手くカウンターを決めてくるとなると、それこそアルグランテ王国三大将軍、である剣豪「ジークハルト・リレイド」ぐらいだ。
つまり7歳でもう既に超一流の剣技に習得していることになるのだ。下手したら、いや恐らくもう既に剣術だけに関していえば俺のことは超えているのだろう。
確かこんな事が前にもあった気がする。
そうだ、レインが初めて魔法を使った時もこんなふうに考えていたんだった。本当にこの子はどこまで親を驚かせてくれるのだろうか、親になると息子が優秀であったり天才であるように感じるというが、これもそうなのだろうか?いや、決してそんなことは無いはずだ。間違いなくこの子は本物の「天才」だ。
そんな息子の頬を撫でる。すると少し呻いてゆっくりと目を開けた。
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レインside
頬に何かが触れた感触で目が覚める。ゆっくりと目を開けるとそこには俺の頬を撫でるライゼンがいた。
体を起こす。
そうだ、模擬戦をしてスタミナ切れで倒れたんだったか。
「レイン」
不意に名前を呼ばれそちらへ顔を向ける。
「何でしょう、お父様」
「模擬戦の事についてなんだが……」
やっぱりそうか。少しドキッともしたが、セレシアとは違ってこの人は普通なんだと少し安心する。
「お前の才能や技能はずば抜けている。と言うよりぶっちゃけ世界にお前と同じレベルの技能を同じ年で持っている人間は居ない。」
まあそりゃあそうだろう、何せ剣術スキルLv10でMAXな上にさらに上の「聖剣術」、「剣王術」もカンストしている。挙句の果てには、身体強化スキルや「見切り」、「先読み」、「危機察知」、等など、技術に関してはもうほんと無敵と言っても過言ではない状態だ。まあ模擬戦も最後の一撃以外は解析スキルで手に入れたスキルは使ってないのだが。
「そこでだ、お前には今三つの選択肢がある。
一つはここから先の人生全てを自分が決めることだ。これが三つの中では1番自由度の高い選択だ。勿論俺もお前の親としてできる限りのことはしてやろう。
そして二つ目学校に入り、礼儀作法や、魔法、武術、学問などを磨きそして就職することだ。お前の実力なら、学園卒業後試験なしでこの国の軍で働くことも出来るし、何なら俺が推薦したっていい。」
一つ目の選択は置いておいて二つ目の軍への就職は結構いいかもしれない。安定した職に就けるというのはいい事だ、それに国の軍ならそう簡単に無くなったりすることもないだろう。
「最後の選択は、先程と同じように学校で様々のことを学んだ後、冒険者となる道だ。」
冒険者、魔物の討伐から捕獲、退治に行商人などの護衛、更には街の掃除からペット探しの手伝いまで、様々な「依頼」を達成し金を稼ぎ生計を立てる何でも屋、か。それもいい案かもしれない。
だが冒険者となると、怪我や病気で働けなくなった場合、辛い。だが国に仕える軍も戦争等で怪我をするリスクは十分あるし……
「うーん……」
俺が考え込んでいると、横から声がかけられる。
「まあ、今すぐ答えを出せとは言わない。取り敢えず学校に行ってから考えるとかでもいい、俺が言いたいのはこれから先のこともちゃんと考えておけよ、ということだ」
……よし!決めた。
「お父様、僕は学校に行ってみたいと思います。」
「そうか、分かった。その先のことはまた後で考えればいい。お前のことだから自分の力を悪用するなんてことはないと思うが、一応言っておこう。」
こほんと一つ咳払いをして、ライゼンは話を続けた。
「レイン。力がある事と、強いことは全く別のことだ。
いくら優れた能力を持っていても、使い方によってはそれは、強さにも、愚かさにもなりうる。…………自分の力を過信するな。それは失敗の源だ、いつでも自分の事を正確に把握し、無茶はしても無理はするな。それは例えどんな状況でも、だ」
この話で、第一章も最後、第2章は学園に入ろうとするとこらから、書き始めようかなと思っています。その間に閑話を挟もうと思っているので、ストーリーが早く読みたい人にはお待たせしてしまってすみません。
出来るだけ早く投稿できるようにしたいと思いますので、何卒お許しください。
※スキルの最大レベルを10に変更しました。
誤字脱字、違和感などございましたら、コメントで教えて頂けると嬉しいです。こんな作品ですが、これからも皆様に見てもらえるように尽力していきたいと思います。これからも、「女神に貰った解析スキルが最強だった件」をよろしくお願いします。