第六話 模擬戦
いつの間にか1000PVを超えてました、責任重大ですね。これからも見ていただけるように頑張らないと…
いきなり180PVとか増えてる日があってビビりました。
前回言ったとうり早めに投稿できて良かったです、いつもこのペースで執筆できれば良いのですが…
まあそれはさておき、本編をお楽しみください!
俺が初めて魔法を使った日、いや「解析」は自我構築の魔法を使ったとか言っていたから、初めてじゃないのか?
まあそれはどちらでもいい。
あの日から4年が経ち、俺がこの世界に転生し、夢の中で女神に会ったあの日からはもう7年も経ったことになる。
そんな俺は記憶がある中では7度目の夏を迎えていた。
「レイン、準備は出来たか?」
練習用の木剣を構えながらライゼンが俺に聞いてくる。
木剣を両手で強く握り締めながら父の質問に答える。
「はい、お父様」
もちろん答えは「YES」。
今の状況を簡単に説明すると、これから父と剣術の訓練を始めるところだ、と言うのもの昨年の冬から父に頼んで剣術を教えて貰っているのだ。最初は父もまだ早いのではないか?と乗り気ではなかったが、「解析」の助けも借りて如何に俺がどれだけ剣術を学びたいのかを、少し大袈裟に、20分程かけて熱弁したところ何とか頷かせることに成功した、まあその時に「説得」だとか「詐欺」だとか「読心術」とかetc…便利そうなスキルから何やら物騒なスキルまで色々手に入れたわけなのだがまあそれについては置いておこう。走り込みから筋トレ、体幹トレーニング等、基礎的な訓練から、剣術の型から型の応用、繋げ方まで毎日、魔法の練習と並行して行ってきた。
ここで解析スキルで「剣術」スキルとか取れたんじゃないの?と思う人もいると思うが、その通りなのだ。まあ自分が強くなる事でなにかデメリットがあるとも思えないし、別にいいのだが。
「行くぞ、レイン」
俺はその言葉に無言で答え、もう1度剣を構え直した。
剣についての練習を今までやって来て今日初めて模擬戦を行う、どれ位だろうか、一瞬か、それとも数分か、お互いの隙を探し合う。その時先に動いたのはライゼンだった。
俺よりも圧倒的に体格の良い大人がものすごい速度で俺の方に迫ってくる、最初は20メートル近くあった相手との距離が一瞬で縮まる。ライゼンの腕が僅かに動くこの予備動作からして次に来るのは、大上段からの袈裟斬り、避けるか受けるか、俺が選ぶのは…
「はっっ!!」
体格でも勝てなければ力で勝てるはずも無くたとえ受けても力で押し切られたらそこで終わりだ、だからと言って避ければ、さらに追撃が来て防戦一方になるのは目に見えている。だからこそ「受け流す」、最小限の動作、最小限の力で、最大限の速さで。
「なっ!?」
そして背後に回り追撃はせずに、1度距離を取る。焦ってはダメだ、程よい焦りは、油断を少なくし頭の回転が速くなる、だが行き過ぎた焦りはミスを産む。
「レイン、その技はどこで覚えた?」
「お父様とジーク叔父さんの模擬戦を見て。」
いやさ、これ結構カッコつけてるけどまさか成功するとはね?練習して何回目かにできればいいかな?って感じだったんだよ?
なんか……女神様の加護って凄い………うん。
「ジークの技を真似したのか…」
そう言ってライゼンは少し考え込む。
「まあ良い、それよりも訓練の続きだ。レイン、ここからは少し趣向を変えよう。」
模擬戦を途中で辞めて別のメニューにするとは…まあこの人らしいっちゃらしいのだが。
「今から2分間、俺の攻撃を全て防げ。」
そう言い終わるや否や、ライゼンが斬りかかってくる。
最初と同じようにあれだけあった距離がみるみる縮まって行く。
そして俺がライゼンの剣のリーチに入ると迷いなく斬りかかってきた、先ほどと同じ上段からの袈裟斬りに始まり、横に払ったり、すくい上げるように切り上げたり、多種多様な技を流れるように繋げてくる。俺は剣で僅かに軌道をずらして避けたり最初の様に受け流したりしながら何とか耐える。心の中でまだ二分立たないのかよ!などと思いながらも無言で耐え続ける。
『ご主人様、二分経過まで残り10秒です。』
最初の頃とは明らかに違う、100人中99人が女性のものだろうと思う様な声が俺の頭の中に響く。
もう少しだ、そう思い今までより一際速く鋭くそして的確な斬撃が俺の体を襲う、「やばい」そう思いここで初めて剣術スキルや身体強化スキルを使い全力で斬撃を受け止め、押し返す、受け止めるどころか押し返されたことに驚いたのかライゼンは仰け反ってしまった、その隙に俺の身体が、本能が反応した。
いや、反応してしまったのだ。
相手の隙に。
やってしまったと思った、剣術スキルと身体強化スキルの効果はまだ続いている、俺の体も本能に従い動いていた。
俺の体は動きつづける、相手を完璧に叩きのめすため。
一欠片の慈悲もなく、ねじ伏せるため。
まず体制を完全に崩させるため相手のサイドに回り、膝裏を蹴り無理やり膝立ちの体制に変えさせる。
そしてそこからは単純だ、ただ相手の首に木剣を押し当てるだけ、それだけだ。そして遂に俺の体がそれを実行しようとした時、俺の体の動きは止まった。
別になにかされた訳では無い、簡単なことだ。
身体が持たなかったのだ、あの異常な動きに。
俺は地面に膝をつき、倒れ込むと同時に意識を手放した。
スタミナ切れ。それがこの勝負の結果だった。
いやぁ初めて戦闘シーン(模擬戦)を書いたのですが、日常系より何だか、書くことに熱中できて1500文字行けばいいかなとか考えていたのに、いつの間にか2000文字超えてましたw
次回は、ライゼン目線の話になると思います。
誤字脱字、違和感などございましたら、コメント欄で教えて頂けると嬉しいです。