第二話 ステータス
さて、今は儀式が始まるのを待っているわけなのだが、
ここに着いてから分かったことが二つ程ある。
一つは、俺の親が思ったよりも、この国では有名である事。
王城に来るということは門番などにも会うわけなのだが、
その殆どが顔パスで、中にはかなり遠くにいたのに、わざわざ走って来て、挨拶をしてくる者もいたのだ。
もう一つは、普通、この鑑定の儀式は教会などでやるもので、王城で鑑定の儀式を行うのは、貴族や王族、軍の幹部の家族だけらしく、大人が何十人もいるのに対してこの会場に子供は十数人しか居ない。
ちなみに母の方は旧友にあったらしく、今は別の場所にいる。そんな事を考えていると、黒髪で中肉中背の男がやってきた駆け寄ってきた。
「おーい、ライゼン!久しぶりだな」
「おおジーク、久しぶりだな、そう言えばお前の家の子供も今年なんだったな。」
「おう!というかお前の子供、お前じゃなくてセレシアさんに似たんだな、お前に似たらそんなに可愛いわけねーもんな!」
そう言って笑うジークと呼ばれた男の後に隠れる、同い年くらいの女の子と目が合う。人見知りなのかすぐに目をそらされてしまった。
「確かにレインが俺に似ていないのは認めるが、そんな事を言ったら、お前も似ているとは言えないんじゃないか?」
「まあそうだが、俺の子供が世界一可愛いのは当たり前だからな。俺に似ないのは仕方ない」
「レイン、挨拶をしなさい。」
そうだな、挨拶をするのは常識だし、して損は無いだろう。
「こんにちは、えーと……れいん・くらいれっとです」
やはり3歳では声帯が、あまり成長仕切っていないからか、どうしてもたどたどしい自己紹介になってしまう。そんな俺の挨拶に満足したのか、黒髪の男は柔らかい笑みを浮かべた。
「こんにちはレイン君。俺はジークハルト、ジークおじさんとでも呼んでくれ」
そう言うと、ジークは後ろに隠れていた子の頭を撫でて自分の前へ移動させた。
「ほらティナ、挨拶しなさい」
「……ティナ……です」
短く切りそろえた艶のある黒髪。
人見知りでさっきのがギリギリだったのか今にも泣き出しそうに潤んだ、透き通った茶目。
薄い青色のワンピースを来たその姿は、親が言うのも頷ける程に可愛いと素直に思えた。
「すまんな、誰に似たのか人見知りなんだ。」
そう言ってジークは苦笑した。
「さあ、そろそろ始まるみたいだ。大事な儀式が始まるから、レイン、ここからは静かにするんだよ。」
父さんは真面目顔でそう言うと、俺から視線を外しある1点を見つめ始めた。まだ少し騒がしいのは同じようなことをあちこちで色々な人が子供に、注意しているからなようだ。
「これより鑑定の儀を始める、まず始めに国王陛下から開会の宣言を、国王陛下、お願い致します。」
全員の大人の視線が横にずれ、少しすると盛大な拍手が巻き起こった。前にも大人が居るためあまり見えないが、壇上に豪奢な服を着た男性が着き、手を上げると同時に拍手が消えた。
「新たなる魔王が誕生し、世界がまた危険に晒されている中無事にこの儀式を執り行うことが出来ることを、とても嬉しく思う。そして…………」
話し中にたまに子供の声等が聞こえてくることもあったが、国王の話は比較的スムーズに進む。
「……これより、アルグランデ王国第27代目国王、ヘンドリウス・フォン・アルグランデの名に於いて鑑定の儀を行う。」
最後に、初めよりも大きな拍手が起き、その拍手は、王が退場するまで続いた。
「これから、鑑定を行う。まずはバーナード子爵家、リック・バーナード。前へ」
少年とその父親が前に出で、少年が台座の上に乗った水晶に手をかざすと少年の体が淡く光り、周りで小さく完成が上がる。
すると水晶から少年の方に薄い青色の透明な板のようなものが出てきて、それを少年は食い入るように見つめている。
「レイン、あれがステータスウィンドウだ。順番は……四つ先だな今あの子が薄く光っただろう、何らかの才能系スキルがあった時に光るんだ」
その言葉にいつの間に帰ってきていたのか母が続ける。
「才能系スキルというのはね、その人の特別生まれ持った才能をスキルという形にした物の事よ」
つまりその才能系スキルの適応されたスキルの成長が早くなるとかそんなところか。
いよいよ俺の一つ前の人の鑑定の番になった。
「次、オーマス伯爵家、フェリス・オーマス。前へ」
少女が水晶に手をかざすと先程よりも強く白く輝いた、すると大きな歓声
が上がる。
「おお!凄いな、レイン。あの子は聖女見習いになったみたいだ」
「せいじょさまの、みならい?」
「そうだぞ、あの子は天職を貰ったみたいだな。」
この世界の職業には二種類あり一つが今のような「天職」、これは神がひとを選定し、その人に与えられる職業で、この職業を持つことはとても栄誉だとされている。もう一つが自分の職業や、ステータスなどで、つく職業を自分で選べる「職業」である。
つまり、先程の子は、「天職」である聖女見習いに選ばれたということになる。
「次、クライレット栄誉男爵家、レイン・クライレット前へ」
「レイン、行くぞ。」
俺は父と共に、壇上に上がり水晶に手をかざした。
すると俺の体が天職に選ばれた時までは行かないが薄い青に輝き、ステータスウィンドウが現れた。
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レイン・クライレット 男 種族 人間
生命力:13/13
魔力:42/42
体力:15/14
STR:7
DEf:5
DEX:9
INT:89
MEN:25
スキル
「解析」 「幸運」 「武術の才能」 「魔術の才能」
加護
女神の加護 【大】 「慈愛の女神」
称号
『転生者』『異世界からの迷い人』
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