第十話 到着
大っ変長らくお待たせしました!!
前話で失踪出来ないと言っておきながら失踪しかけてしまって本っ当に申し訳ございません!
これからは不定期ながらももっと早く投稿できるように全力を尽くしますので、これからも「女神に貰った解析スキルが最強だった件」をよろしくお願いします!
では本編をどうぞ!
「おっ、街が見えてきたな」
俺は馬車から顔を出し呟く。
ここからだと城壁しか見えないが、その大きさと城壁全体を覆うようにして球体状にかけられた結界からしてあれが学園都市レクシアだろう。距離的に着くまではあと数分といったところだ。
「ど、どうだった?」
「もうすぐ着くと思うよ」
そう言ってティナの方を見るとなんだかそわそわしている様子だった
「どうしたの?」
と聞くとティナは恥しそうに
「なんだか緊張してきちゃって…」
と言った。そう考えると俺も少し緊張してきたかもしれない。入学試験まではあと一週間はあるとはいえ、この世界では初めての受験な上に、初めてのこの世界で言う大都市に行くのだ、以前住んでいた実家がある場所も城壁のあるそこそこ大きい街ではあったが、流石にここまで大きくは無い。
「「………………」」
妙な沈黙が訪れる。別の話をしようと思ったところで御者に声をかけられる。
「い、行こうか」
「う、うん!」
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「よし、犯罪歴もなしっと。それじゃあ改めて、レクシアへようこそ!お二人さん。試験頑張ってね。」
そう送り出されて俺たちは検問所を抜ける。
検問所を抜けた先には、酒場や宿屋、雑貨屋など様々な店や家が大通りの中心に向かって建ち並んでいた。
そしてその大通りの向かう先に見える一軒家ほどの高さの壁と真っ白で此処からでも大きさが分かるほど大きい建物。 そんな建物の様子や、奥のにある屋台などから聞える呼び込みの声からしてやはり大都市と呼ばれるのにも納得できる。
「失敗したな……」
これでは何処に泊まるのが良いのか全く分からない。
「え?」
「いや、今更ながらオススメの宿とか聞いとけば良かったなぁ、とね。」
「ほうほう。そこの君、宿を探しているのかい?」
突然後ろから声がかかる。
後ろを振り向く、そこには人の良さそうな顔立ちの17、8歳位であろう茶髪の青年が立っていた。特に面識があるわけでもないので、人違いだろうと思いすどうりしようとしたのだが、慌てて「ちょ、ちょっと!君であってるから!人違いじゃないから!」と止められた。
「なんの用でしょうか?」
「君たち、宿を探してるんだろう?いい所を紹介してあげるよ。ついてきて!」
そう言って歩き出す青年を追いながら、違和感を覚える俺だった。
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「ねぇ、どこまで行くのかな?」
青年が「近道なんだ!」と言って狭い路地に入ってから20分ほど経った頃思わずっと言った様子で俺に聞く。
俺は「さあ?」とだけ言って歩き続ける。
…………そろそろか………
「おい、そろそろいいだろ?」
俺が声をかけると『青年』がピタッと足を止め
「何の…ことだい?」
と笑顔をはり付けたまま振り返る。
「気付かないとでも?」
俺がそう言うと彼女は俯く。
表情は見えないが肩が小刻みに震えている事から笑いを堪えているのだろう。
やがて堪えきれないと言った様子で笑いが漏れ始める。
「……ふっ………ふふっ…」
そして笑い声は次第に大きくなる。
傍から見ると沈黙する男女と大笑いする青年という何とも言い表し難い状況になったが、そんな状況はティナが青年に声をかけたことで終わった。
「あ、あの……」
「ふっふふっ。ご、ごめんごめん。んふっ」
そう言う声はもう既に男の物では無く、明らかに女の声になっていた。
「いやぁ、バレちゃったかぁ。結構いい線いったと思ったんだけどなぁ。」
そんな急激な声等の変化で、気付いていなかったティナは「え?え?」と俺と目の前の青年に変装した少女を交互に何度も見ている。
「しっかし、よく分かったねぇ。私としてはそんなバレる様なミスはしてないと思うんだけど。ねぇねぇ!どこで気付いたの?」
「その前に変装を解いたらどうだ?」
茶髪の好青年が完璧な女の声で話しているのは、はっきり言って気持ちが悪い。
「あっ、そっか!このままだと気持ち悪いもんね。」
「レ、レインくん?これはどういう……」
「今から着替えるから目、つぶってて欲しいんだけど……、あっ!それとも見たい?」
「だ、ダメです!」
そんな彼女の声が人気の無い狭い路地に響くのだった。
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???side
暗い夜。見上げれば木々の隙間から覗く月と瞬く沢山の星。夜中も街灯等の光で明るい今の日本ではほとんど見ることの出来ないであろう光景。だがその光景も、この世界では多少いつもより綺麗に見えているという程度である。
「綺麗って、こういうことを言うのかなぁ」
そして此処にそんな空を見上げるものが一人。いつもは被っているのであろうフードが風で揺れる。そこからこぼれた、月の光を反射して美しく輝く銀色の髪。そんな息を呑む様な光景を壊すかのように不意に何か物音が聞こえる。
「ん?やっと出てきたのかな?」
光源は月明かりしかない。そんな状況では5m先の木々の向こうさえ視認しにくい。
そして、小さくギリッという音がすると共に飛翔音をたてながら1本の矢が声の主を貫かんと飛来する。
先程までの幻想的と言えた風景は人間の死によって壊される、と思われた。
「はぁ。どいつもこいつも、もっと真剣にやってくれないかなぁ」
そう言って、矢の飛んできた方向に歩みを進める。
先程脳天を貫いた筈の矢などどこにも無く、あるのは異様な静けさのみ。
「ッ!くっそ!!」
という声とともに地面を勢いよく蹴る音が聞こえる。
「逃げても無駄。」
そう言って全力で逃げようと走り始めた男に掌を向ける。
「縛れ『束縛』」
「うぐっ」
『束縛』の魔法で身動きの取れなくなった男は、何とか逃げようともがくが、転がることも満足に出来ずに逃げることが出来るわけもなく。
「そう慌てないでよ〜。私、君に聞きたいことがあってさ〜」
「………なんのつもりだ……?」
「いやさぁ、私ってふつうじゃないんだよ。」
男は「何をわかり切ったことを」といった表情で続きを促す。
「それってステータスだけじゃないんだよ。」
彼女は空を見上げ続けた
「私には分からないんだ。人の感情って言うものがさ。だからさ、聞きたいんだ〜。借りるね?」
そう言って彼女は男に向けて歩みを進める。
「君の脳みそ。」
「う…………あ、え…………ああ、や、やめろ!来るな!うああああああ…………」
彼女が男の頭に手をかざす。するとそれだけで、聞こえていた男の声はプツリと途絶え、残ったのは頭のなくなった死体。
正確には頭と胴体が分かれ、未だ呼吸を続ける頭は恐怖のあまりケタケタと笑い出す。だがその笑いすら悲鳴に変り、男の悲痛な叫びが森にこだまする。
そこには先程までの幻想的な風景とは似ても似つかない、無数の人間の異様な、腕や足、内蔵などいずれもどこかしらの部分を綺麗に切り取られた死体が、転がっていた。
木々から鳥が一斉に飛び立ち、多くの羽音を鳴らす。
その後、森に響いていた悲鳴も、やがて止み、そこには完全なる静寂が訪れた。
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