番外編 隣のふたり
「この城って結構広いよな。」
部屋に空いた穴越しにカイトはブローに話しかける。
穴には布がかけられていて、カーテンになっている。
「まあ、人も結構いるからな。城の中を詳しく見たことはないだろう」
布の向こうでブローはそう話した。
「ブラッディやキンライの話だと、ダンスホールや中庭もあるって?」
ベットに腰かけたカイトは背後の穴に話をする。
「ああ、ダンスホールって言っても今の魔王は人嫌いだから、使われてないんだがな。お前が行ったことあるのは、ええと...」
「歓談の間ってやつと、俺の部屋と、食堂と、浴場と...訓練場かな?あと最初に召喚された場所、王座の間だっけか。」
「ふむ、ここに来てからもうすぐ1週間だが、同じフロアばかりだな」
「剣と魔法の訓練漬けだからなぁ」
「しばらくはそれで良い。表に出る前にある程度の腕はつけてもらわないとコッチのメンツがない」
「はは、世話かけるぜ」
「落ち着いたらウロついてみるといい。お前に会いたがってる連中も少なくない。興味深々だ。食堂に行くときも大体が俺ら四天王と一緒だから人に会わないだろう。」
「...そういや、このフロア...っていうかこの階層は全然人が居ないな。それこそ、会いたいなら俺の部屋に来ればいいのに。」
「ここは魔王の部屋、王座の間に繋がる唯一のフロアだ。少数かつ優れた護衛しかいない。四天王の部屋が王座の間に近いのもその為だ。」
「あー、ラスボス前の中ボスラッシュってこういう事ね...。よく考えりゃ、ラストダンジョンの魔王城の構造が複雑なのも当たり前か。」
「...ん、外界の世界のげーむの話か?」
「まあな。...意外とこっちの世界に理解あるよな、ココって。」
「別に、ニンゲンが来るのはよくあるんでね。特に日本人。大抵がお前のようなつまらん目つきの悪いの黒髪だよ。『あにめ』と『げーむ』と『らのべ』の話しかしない。」
「俺も有象無象のテンプレ野郎の1人だったか...。」
「故に、そういう知識だけは少しだけある。特有の単語を聞いてハテナマークでドヤ顔なんて知識無双は無いと思え。お前に個性はない。」
「なんでそんなにメンタルブレイクしてくるの?」
「...あー、『個性がない』という『個性』なんかないからな。『無』を自慢げにするなよ。」
「壁越しでわからないと思うけど俺今泣いてるからね」
「...精進しろってことだ。俺が信用する程の実力を見せてみろ。...おやすみ」
「...ああ、おやすみブロー。」
そんな会話を毎日している2人は、いつも通り、同時に明かりを消した。
今期は主にダリフラを見てます。いいよね。
そのうち、別作品も書いていきたいなぁと思ってます。文章力は皆無なのに想像だけがボンボン出ます。誰か代わりに書いてくれねーかなー!!(大声)




