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15

「大丈夫か!? あぁ、赤くなってる。ちょっと待ってろ!」


 バタバタとキッチンに行ったお父さん。じわじわと痛くなっていく頬。あぁ、そういえば打たれました。しかも2回。きっとアドレナリンかなんか出てただろうなぁー。なんて考えてたらお父さんが氷袋を持ってきて両頬に当ててきた。


「っめた!」

「当たり前だ冷やしてるからな。……で、何であんなことをした?」


 あんなこと……あぁ、あの事かな。


「だってあんな表情(カオ)で叩いたら絶対に親子じゃ無くなる、って思ったら体が動いて」

「そうだとしてもあんな無茶をして」

「……ごめんなさい」

「そっちは分かった。じゃあ何で彼女に叩かれた?」

「それは……」


 「私をまるで召使いのように言うから」なんて言っていいのだろうか。私だって言い過ぎた所はある。確かに相手は貴族、しかも公爵。そんな考えになってしまうのは当たり前だと思う。でも折角合わせてくれたのに台無しにして、さらには一歩間違えばお父さん達の友情も壊しかねなかったのに。

 考えが纏まらず言うのを躊躇っていると、ハァとため息と共に頭に何かが乗った。お父さんの手だ。その手がゆっくり頭を撫でていく。


「何かフミナにとってよくないことを言われてそれにカッとなって言い返した。そして彼女が怒って手を上げた。……そんな所か?」

「……うん」

「その様子じゃあ自分も言い過ぎたって思ってるな。後お父さん達のことも心配してる?」

「……何で分かったの?」

「その顔見たら分かるよ」


 お父さんは手を止めて、しゃがみ私を見る。とても優しい顔。でも少し困っている。


「自分も悪いって思えるのはいいことだ。一体どこか悪かったと思う?」

「……あの子の考えを全部悪いことだって言ったこと」

「そうか。確かにそれは悪いことだ。でも言いたいことは言えたか?」

「……うん」

「それなら良し」

「……怒らないの?」

「悪いと思ってるからいいさ。それとお父さん達のことは心配いらなよ」

「え?」

「そんなことでお父さん達の関係は切れない!」


 笑顔でそう言うから私も笑顔になっていく。そっか、うんそうだよね! なんかスッキリした!!


「フミナは次、何がしたい?」

「謝りたい! ちゃんと顔見て!」

「ハハッ、そうか」


 さて、スッキリしたし面と向かって謝ることは決定事項。後は……うんそうだ!


「森に行ってくる!!」

「今から?」

「うん!!」


 森に行こうとしたけど「ちゃんと冷やしてからにしなさい」と怒られた。……はーい。

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