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ぶたれた音を聞こえたのかお父さんとおじ様が私達の名前を呼びながらこっちに駆け寄って来て、私達を引き剥がした。
「大丈夫か!?」
「……うん、大丈夫」
お父さんに聞かれてそんなに赤くなってるのかと思いながら叩かれた頬をなぜる。「なぜフミナちゃんをぶった?」とあの子に聞いていた。そしたらあの子が私に。
「あの平民がわたくしに意見したのよ!! 貴族のわたくしに!!」
興奮しながら私に指を指して一言。
「わたくしの言っていることが出来ないって言ったの!! 平民ならわたくしの言うことは絶対に聞くことが当たり前なのよ!! なのに、なのに!!」
あの子は涙目になりながら言う。考え方がゲームやアニメの悪役令嬢っぽいなーなんて呑気に思ってしまった。
「マリア……。前にも言ったがそんなことを言ってはいけないよ。フミナちゃんに謝りなさい」
「なぜですの!? わたくし何も悪くありませんわ!! 悪いのはあの平民よ!」
「お父様もお父様ですわ! どうしてこんな平民をわたくしに紹介したのよ!? お父様の友人が平民だなんて皆の笑いものですわ!! 今すぐ縁を切るべきでわ!!」
その言葉を言った瞬間空気が変わった。部屋が寒くなったみたいに。あ、これはダメだ。そう思ったら体があの家族の元へ向かっていた。後ろからお父さんの呼ぶ声がするけど聞こえない。あの家族の間に入った瞬間、パァンって音と共に左頬に痛みが走る。お父さんのお友達が音ともにハッとなり私の元へ。
「す、すまない! 大丈「ダメ」
お友達が私に心配の言葉を掛けようしたけどそれを止める。だって今言わないと大変なことになる。それも、家族の間に大きな溝になる前に。
「ダメだよ、おじさん。そんな表情で、自分の娘を傷つけちゃ、ダメ」
私の言った言葉にハッとなって後ろにいるあの子に目線を向ける。あの子がどうなっているか私には見えないけど走ってお店から出て行く音がした。おじさん(もうこれでいいや)は呆然となりなが目で追っていっていた。
「……ダン、すまないが今日は」
「あぁ……、ここで失礼するよ」
……お父さんの声怖いなぁ。なんて思ってたらおじさんが私に目線を合わせるためにかがんでいた。
「フミナちゃん、今日はごめんね」
「ううん。私よりあの子とちゃんと話、してね」
「……うん、わかったよ」
おじさんにお願いをして「また後日お詫びに」と言っておじさんは帽子を来て帰っていった。