────とある電車のホーム、彼女は電車を来るのを待っていた。学生服を着た彼女。彼女は、学生鞄を肩に掛け立って本を読んでいた。
ふと、彼女は腕時計に目を向けた。彼女は、そろそろ電車が来ると思い読んでいた本に栞を挟み学生鞄に片付け、電車を待つことにした。
彼女は、後ろに気配を感じて振り返ろうとした。その瞬間、背中に衝撃が走った。
気づいた時にはもう遅く、彼女は線路内にいた。人々は何事かと思い線路内を見て顔を青ざめる。
彼女は、痛みで顔を歪ませながら立ち上がりホームに戻ろうと目を向けた。だが、彼女はホームから見下ろす者を見て目を見開いた。
そこには、彼女と同じ学生服を着た者が立っていた。その者は彼女のことを睨みつけて呟いた。
「────」
彼女は、呆然と立ち尽くした。自分がなぜこんな目に遭っているのか、わからない。そんなことを考えてしまって、立ち尽くしてしまった。
だがハッと、首を横に振る。もうそこまで電車が迫っている。彼女は急いでホームへ手を掛けた。
「助けて!」
「誰か、誰か息子を助けてください!!」
そんな声がして彼女が目を向けると、線路内で泣いている男の子と泣き叫ぶ母親がいた。男の子は、遊んでいる時に線路内に落ちて、泣いていた。母親は、泣きながら人々に頼んでいた。
しかし、誰も助けに行こうとはしない。それどころか、見て見ぬふりをしていた。自分が行っても助からない。それどころか、自分が道連れにされてしまう。そう人々は思っていた。
だが、線路内を走る者がいた。男の子を助けようと。人々は、一体誰がと思い線路内を見た。
そこに居たのは、彼女だった。
「はやく!」
彼女は、男の子がいるところまで行くと、男の子を抱き上げて母親に渡した。母親は、叫ぶことをやめこちらを見た。そして、自分の子供だと分かると、急いで男の子を受け取り泣きながら抱き締めた。
それを見た彼女は微笑んだ。よかった。そう思いながら────彼女の意識は途絶えた。