準備中
キャラメイクや職業の説明回です。見なくても後々わかるので飛ばして読んでも大丈夫だと思います。
(ヤバイヤバイヤバイヤバイ!遅れるって!)
時刻は午後4時少し前。
来栖 真琴、今年高校三年生18歳は走っていた。それはもうひたすらに。
あのメッセージが届いた8月8日より約1週間後、真琴のもとにある通知が届く。それは、AO入試合格の通知であった。
それはもう真琴にとって神からの祝福のように感じられた。なぜなら…
「これでWEに没頭できる!」
という単純明快ものであった。
しかし、真琴は急いで走っている。何故か。それはWEのVRサービス開始時間まで約1時間と迫っていたからだ。
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家に着くなり、風呂場に直行。汗を軽く流してタオルで拭き適当に部屋着に着替えてから階段をかけあがり2階の自室に転がり込む。エアコンの電源を入れ、元ギルドメンバーからのメッセージに返事をして、ヘッドギア型のVRゲーム機を頭にセットしベッドに横になる。
「さあ、始まりだ。ゲームスタート!」
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まずはキャラメイクからだ。
キャラメイクは自分の理想を詰め込んだ。女性アバターに少し興味もあったが、VRと言うこともあり無難に男性にする。
だがそこからが過ちの連続だった。さっきの女性アバターの後悔が抜けきらず、性別は男性のままどこまで中性的に見えるか挑戦してしまったのだ。その結果、顔は中性的で整っていて、背は160半ば、肌は白く、体つきは華奢で、髪は艶を持った黒で男子としては少し長めな髪を所々はねさせている。周りから見ればかわかっこいいと評されるであろう。一見男子だが、本当に男子か?と少し疑いを持つくらいな外見だ。
真琴は、現実でも男子校高校生としては小柄で顔も平均より整っているため、そこから更に美化&中性的な方へシフトした感じだった。
名前はいつも通りのハンドルネームを使う、M@Kotoと。
次に職業である。
今回WEでは片手剣、両手剣、槍、斧、レイピア、刀、弓の7職種にVRを生かすために片手銃、スナイパーの2職種が加わった。ここで1つ気づくことがあるだろう。WFにはMMORPGにはつきものの魔法職がないのだ。理由は武器についてはあまり現実から遠ざけたくないから、というものらしい。
真琴は片手銃にすることにした。理由は2つ、1つ目は不人気だったからである。運営が行った職業の事前人気投票ではぶっちぎりの最下位であった。2つ目は、憧れである。ただそれだけだった。
ここで真琴は視線を巡らし右下に時計を発見し確認する。時計はデジタル表示で16:50を指していた。なんとか間に合ったようだ。