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御手紙

作者:

紫外線が降り注ぐ庭。

かき氷を削る音。

蝉の鳴く声。

梨の香り。

扇子を持つ右手。

体を支える左手。

透き通った白い肌。

空の色のワンピース。


全てが美しかった。


僕はほぼ毎日その少女に出会う。

昼下がりの一番気温が高い時間。午後2時前だろうか。

昼休みのOL向けの、番組がニュースのコーナーに近づく頃、少女はいつもつまらなそうに風に揺れる風鈴を眺めていた。


だが、僕が庭に行くと少女はいつも僕に天使のような微笑みをくれた。僕は外気温のことなど忘れて爽やかな気持ちになれた。

もしかすると少女は僕の汗だくの姿を見て哀れんでいたのかもしれないなどと帰り際に考えることもあったが、そんな心の汚い少女には見え無かった。だから、僕は少女に惹かれていた。


とある水曜日。今年一番の暑さと言われていた日。僕は暑さで頭がおかしくなりそうだった。でも、少女に会えると考えたら暑さなんて気にしなくなった。


そしてやっと少女の家に辿りついた。すると、少女は玄関の前で立っていた。


「こんにちは。」


挨拶がない。

少女は一枚の小さな手紙を僕に差し出した。



『郵便屋さんへ

毎日ご苦労様です。

貴方の元気な姿を見て毎日生きようと頑張れました。

生きる元気を運んできてくれて有難う。』



読み終わり顔を上げると微笑んで手を差し出す少女。


「こちらこそ有難う。」


笑顔で言った。そして握手をした。



少女には形も体温もなかった。



「よく頑張ったね。」


頭を撫でた。もちろん感覚など無い。


すると笑顔で少女が消えた。



今まで郵便物を運ぶ仕事としか考えていなかった。

だが郵便屋さんは配達区域の方々に元気も運んでいることに気がついた。いや、気がつかせてくれたのだ。



そんなことを考えながら次の郵便物を運んだ。

その宛先は産婦人科だった。


小さい産婦人科から新しい生命の誕生の声が聞こえた。


もしかしたら少女が生まれ変わる瞬間だったのかも知れない。

初投稿です。想像力も文章力も無くてとても醜い作品をすみません。最後まで読んでくださった方、本当に有難う御座います。

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