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F*ther  作者: 采火
本編

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85/153

王都への門

ガタガタと馬車に揺られて幾千里……というほど距離はなかったけれど。

やっとのことで王都へ。

白い煉瓦でつまれた外壁は、右も左ものっぺりと広がっている。そう、これが王都と周辺地域を区切る境界線。東西南北に設置された白磁器製の門には美しく紋様が書き込まれている。この紋様は魔方陣となっていて、脆い磁器の門を強固なものにしたてあげているのよね。

門番が通行証毎に人を整理して順に人をいれている。最優先は貴族や魔法使い。その次に騎士。三番目に特権商人。それ以降は並んだ順に。魔法使いは緊急事態以外に滅多にその通行証は振りかざさないから、ほとんど意味をなしているとは言えないし、騎士も同じで急いでいないなら民間人を優先してくれることが多い。


「なのに、ねぇ?」


絶讚、マッキー兄弟は魔法使いであるサリヤの権限で割り込みしてる。理由? それはですね……


「油断してたあの馬鹿鳥ー!」

「すまない、サリヤ……すぐに探す」

「とかなんとか言ってこの広い王都でどうやって探すんですか」


サリヤが嘆いて、カリヤは焦って、アーシアさんがジト目で二人を睨む。

そうなのです、トットちゃんが王都の門の通過待ちの列に並んだ途端、脱走したのです。しかも本性に戻ってするりと。本性に戻ったら魔力の壁でもない限り精霊は自分の意思で物を通過できちゃうからね。ほんと契約者を苦労させる精霊ねぇ。どこが安心の精霊なのやら。

門の中へと入って行ったトットちゃん。行き先がどこか分かるのかしら。王都って結構、地場狂いの魔方陣が組み込まれていて並みの魔法使いの魔力探知能力を下げる場所があるのよね。全体じゃなくて、所々だけど。

そういうわけで一刻も早くトットちゃんを探したいがための特権の振りかざし。他から見れば迷惑きわまりないだろうけど、早くしないとトットちゃんのセクハラの犠牲者が生まれるからね。


「大丈夫、あの馬鹿鳥の考えてることくらいお見通しだって……! 屋敷にあるぬいぐるみを狙いに行ったに違いない!」

「なんでそう思うの?」

「触った時の感触が良いってことで、私の作ったぬいぐるみにしか入らないんです」

「で、アーシアのぬいぐるみは僕らの母上が気にいっていらっしゃるから、僕らの屋敷に多いんだよー。これで悪さなんかしてみろ、あの馬鹿鳥……! 」


悪さの内容に関しては予想がついたので詳しくは聞かないことにします。それにしても、トットちゃんもこのタイミングで脱走とは……機を窺ってたわねコレ。

そういうわけで強引に割り込んで王都への門を通過する。


「これが今の王都……」


最初に目に飛び込んできたのは時計塔。他の建物よりちょっぴり高くて天辺に鐘がある。私が王都にいた頃からあったものだけれど、何度も修繕されたのか、色が門と同じ白から茶へと変わっていた。時計塔の構造が変わっていなければ、人一人がすっぽりと入れる幅のあの塔の中は空洞になっていて、梯子があるはず。それで鐘のところまで登れるの。一度、グレイシアのときにお父さんと登ったことがあるから覚えている。

門の前に並んでいたお店はずいぶんと様子が変わっていた。あったはずのパン屋は無くて服屋になっているし、お父さんがお気に入りだった酒場も今では花屋。こんなにも変わるものなのねと感慨深くなる。

馬車はゴトゴトと西を目指す。マッキー家の屋敷は西地区にあるらしい。グレイシアが別荘として与えられていたのは王城のすぐ北だった。アマリス村やエンティーカは王都の東。王城は王都の中心に構えてあるから、マッキー家の屋敷に行くには南か北を通って迂回しなければならないのだけれど……


「北か……」


案の定、通るのは北側だった。南は人が集まるせいで、馬車で通るには不便だからなぁ。ある程度予測できたことだから、狼狽えたりなんかしないけれど。

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