私をゴリラと呼ばないで!
掲載日:2026/09/25
「ゴリラさん、好きです! 付き合ってください!」
放課後教室を出たところで告白を受けた彼女。
相手は引き締まった筋肉を持つイケメン。なよなよした優男を嫌う彼女からすれば比較的タイプといえる男性だった。
厚い胸板。
逞しい二の腕。
贅肉なんてものはどこにも見当たらない。
そんな彼に抱き締められたらと想像すれば胸が熱くなる。
だがしかし、それでも彼には絶対に受け入れることのできない致命的欠点があった。
それは──
「私をその名で呼ぶなーっ!」
彼女のパンチが彼の顔のど真ん中にめり込んだ。
その強烈な一撃は彼の鼻の骨を折り、イケメンを鼻血を垂らしたイケメンオークへと変貌させた。
彼女はデリカシーのない男が大嫌いだった。
そんな彼女の名は呉リラ。中国人とのハーフの日系人。
つまり彼は『ゴリラ』という日本読みのフルネームではなく名字の『ウー』か下の名の『リラ』で呼ぶべきだったのである。
ライラックを意味するリラですが、実はサンスクリッドでは戯れを意味する言葉でもあるようです。
う~ん、私としてはそこまでメタなつもりはなかったんですけどねぇ……。(笑)




