ギルドにて
皆さんよかったら☆評価お願いします!!!!!!!
ギルドでの報告を終えたあと。
俺たちはカウンターの前で軽く息をついた。
「依頼達成、っと。思ったよりあっさりだったね!」
ミアが満足そうに笑う。
「初めてにしては上出来だと思うよ」
レンも頷く。
受付が報酬を差し出してくる。
「はい、確認してね」
銀貨を受け取り、軽く目を通す。
(……問題なし)
「じゃあ、俺はここで」
そう言うと、ミアが少し驚いた顔をする。
「え、もう行くの?」
「ちょっと用事あるから」
実際は特にない。ただ、いつも通り一人で動くだけだ。
レンは納得したように頷く。
「そっか。またタイミング合ったら行こう」
「ああ」
ミアは少しだけ名残惜しそうにしながらも、
「……またね、ユーナさん」
と笑った。
軽く手を振って、二人と別れる。
一人になった瞬間。
空気が、少し変わった。
(……ん?)
妙に視線を感じる。
さっきまでも多少はあったが、それとは違う。
はっきりと、“見られている”感覚。
横目で周囲を確認する。
ギルド内の冒険者たちが、ちらちらとこちらを見ている。
男が多い。
その視線の意味は、なんとなく分かった。
(……ああ、そういうことか)
フードの奥で、小さくため息をつく。
掲示板に向かおうと歩き出した、その時。
「なあ、あんた」
横から声をかけられた。
振り向く。
体格のいい男。年は二十代後半くらいか。
腕を組みながら、値踏みするような目で見てくる。
「さっきの依頼、やってたやつだろ?」
「まあな」
短く答える。
「なかなかいい体つきしてるじゃねえか」
口調は軽いが、視線はやけにじっとしている。
「俺ら、今ちょうど一人足りなくてな」
顎で後ろを指す。
見ると、似たような雰囲気の男が二人。
「どうだ? パーティ入らねえか?」
(……来たな)
「悪い、今はそういうの考えてない」
あっさり断る。
だが男は引かない。
「まあそう言うなって。悪い話じゃねえぞ?」
一歩近づいてくる。
距離が近い。
視線が露骨に下へ落ちる。
(……露骨だな)
少しだけ顔をしかめる。
「興味ない」
今度ははっきり言う。
男の顔がわずかに歪む。
「……つれねえな」
舌打ちして去っていく。
(めんどくさいな)
そのまま歩き出す。
だが――
「ねえ、お姉さん」
また声。
今度は軽い調子の男。
細身で、笑顔が胡散臭い。
「一人? よかったら俺と――」
「遠慮しとく」
食い気味で断る。
「えー、即答? 冷たくない?」
「そういうの間に合ってる」
適当に返すと、男は苦笑して肩をすくめた。
「そっかぁ、残念」
去っていく。
だが、それで終わらない。
次々に声がかかる。
「うち来ない?」
「護衛つけてやるよ」
「初心者だろ? 教えてやるって」
(……多すぎだろ)
一つ一つは大したことない。
だが数が多い。
完全に“目立っている”。
(……これ、毎回か?)
少しだけ頭が痛くなる。
人の少ない壁際に移動する。
だが、それでも視線は消えない。
笑いながらこちらを見る男。
ひそひそ話す連中。
(……はあ)
軽く息を吐く。
そのとき。
「大変そうね」
聞き覚えのある声。
受付の女だった。
カウンター越しに、少し呆れたように笑っている。
「まあな」
素直に返す。
「珍しいのよ。あそこまで一気に声かけられるの」
「……そうか」
「自覚ないの?」
じっと見てくる。
少し考えて、
「ないわけじゃない」
とだけ答える。
受付はくすっと笑った。
「まあいいわ。しばらくは慣れないでしょうけど」
「慣れたくもないな」
「ふふ、それは無理ね」
そのとき。
奥の方から、別の視線を感じた。
さっきまでのとは違う。
軽い興味でも、下心でもない。
もっと、冷静な――観察する目。
(……誰だ?)
ちらっと見る。
カウンターから少し離れた場所。
壁にもたれている男。
同年代くらい。
腕を組んで、じっとこちらを見ている。
目が合う。
逸らさない。
(……面倒なの、増えそうだな)
一瞬だけ、そんな予感がした。
「……とりあえず、今日は帰るか」
小さく呟く。
受付が肩をすくめる。
「賢明ね」
背を向けて歩き出す。
後ろから、まだいくつか視線が刺さる。
だが、もう無視した。
ギルドの扉を押して外に出る。
空気が変わる。
(……やっと静かになった)
小さく息を吐く。
胸の違和感も、視線も、まだ慣れない。
だが――
(明日もミアたちと依頼受けられたな)
少しだけ、そんなことを考える。
ユウ「で、俺いつ男に戻れるの?」
???「さあ、いつかはもどれるよ」




