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女のときだけ人生がうまくいく件 〜拾った指輪でTSした俺の二重生活〜  作者: 生家事


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2/13

戻れないまま町に入ったら詰んだ

森を抜けるころには、日が傾き始めていた。


「……最悪だ」


もう一度、指輪を引き抜こうとする。


だが、やはり外れない。


指にぴたりと張り付いたように、びくともしない。


(クソが……)


何度も試した。


回しても、引っ張っても、爪を立てても無理だった。


痛いだけで、外れる気配はない。


「……落ち着け」


小さく息を吐く。

パニックになっても意味はない。


とりあえず――


「……町に戻るか」


ここで夜を迎える方が危険だ。

魔物も出るし、何より落ち着いて考えられない。


問題は――


「このまま、か……」


自分の体を見る。

細い腕。軽い体。見慣れない胸。


どう見ても、完全に“女”だ。


(……まあ、仕方ない)


諦めは早い方だ。

フードを深くかぶり、町へ向かって歩き出す。


ヴェルデン町の門が見えてきた。


いつも通りの光景。

見張りの兵士。出入りする人の列。


何も変わらない――はずなのに。


(……なんか、視線多くないか?)


妙に見られている気がする。

いや、気のせいじゃない。

通り過ぎる男たちが、ちらちらとこちらを見る。


(なんだ……?)


違和感。

今までこんなことはなかった。


そのまま列に並ぶ。


順番が回ってきて、門番の前に立つ。


「……名前は?」


低い声で聞かれる。

一瞬、言葉に詰まる。


(やべ)


いつもの調子で答えそうになって――自分が“女の声”であることを思い出す。


「……えっと」


わずかに声が裏返る。

門番の眉が、ぴくりと動いた。


(落ち着け)


一度、息を吸う。

少しだけ声を整える。


「……ユーナ、です」


言ってから気づく。

(そのまま言っちまった)


だが、もう遅い。

門番はじっとこちらを見て――


「……初めて見る顔だな」

「……最近、来ました」


適当に誤魔化す。

変に突っ込まれたら終わる。


だが――


「……ふむ」


数秒の沈黙。

やけに長く感じる。


そして。


「……通っていい」


あっさりと通された。

(助かった……)


内心で安堵しながら、門をくぐる。

そのまま、人混みの中へ紛れ込む。


町の中は、いつも通りのはずだった。


なのに。


「……おい、見ろよ」

「……あの子可愛くね?」

「どこの子だ?」


(は?)


耳に入ってくる声。

明らかに、自分に向けられている。


(いやいやいや)


今までこんなこと、一度もなかった。

歩いているだけで、こんなに視線を浴びるなんて。


(これが……女、か?)


理解した瞬間、妙な納得と同時に、別の感情が湧く。


――面倒くさい。


そのとき。


「……おい」


聞き覚えのある声がした。

反射的に、足が止まる。


振り返る。

そこにいたのは――


「……げ」


ガキだ。

いつも俺をバカにしてくる、あのガキ。

名前は――確か、リオ。


(最悪のタイミングで会ったな……)


リオは、じっとこちらを見ている。

いつものニヤニヤした顔ではない。

真顔……だけど、どこか柔らかい表情が混ざっている。


「……あのさ」


やけに真剣な顔で、近づいてくる。

(なんだよ……)


思わず、一歩下がる。

だが距離はすぐに詰まる。


リオは、目の前まで来て――

一瞬、視線をそらした。

そして、照れくさそうに顔を上げる。


「……なんか、気になるんだよな」


小さな声で、でもはっきりと言った。


(は? 気になる……だと……?)


直感が告げる。

面倒なことになる。

確実に。


リオはそのまま、にやりと笑う。

単純に、嬉しそうに。

――明らかに、ユウじゃなく、ユーナに惚れている表情だ。


(……クソ、面倒すぎる)


背筋に冷たい汗が流れた。

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