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女のときだけ人生がうまくいく件 〜拾った指輪でTSした俺の二重生活〜  作者: 生家事


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14/16

依頼達成!!

皆さんブックマークと☆評価していただいてほんとにありがとうございます!!


ミアとレンの過去編 構成完成しました!!お楽しみしばらく後ですね


早く過去編いきたいなぁ

ギルドに戻るころには、日もだいぶ傾いていた。


夕方特有のざわめきが、建物の中に広がっている。依頼帰りの冒険者たちが、報告や雑談で賑わっている。武器や防具の金属音、仲間同士の笑い声が混ざり合い、ざわめきが空間に反響していた。


扉を開けると、いくつかの視線がこちらに向く。


(…やっぱり、この視線には慣れないな)


無意識に肩を正し、足を早める。


「戻ったね」


レンの声が軽く耳に入る。


「先に報告しちゃおう」


「ああ!」


二人の足取りは自然で、声にも焦りはない。


カウンターには昨日と同じ受付嬢が立っていた。柔らかく微笑む。


「お帰りなさい。依頼の達成報告ですね」


カイルが先に袋を置く。


「討伐と素材回収、完了だ」


「確認しますね」


受付嬢は手際よく中身を確認する。動作は淡々としているが、指先は素材の状態を確かめるように慎重だ。


「……はい。数も十分ですし、問題ありません。安定した成果ですね」


「だろ?」


カイルは少し得意げに胸を張る。


しかし、視線はすぐに俺の方へ向けられる。


(わかりやすいな)


無言で見られているだけで、少し背筋が緊張する。


俺も袋を置き、受付嬢が中を覗き込む――手が止まった。


「……あれ?」


首をかしげ、小さく眉を寄せる。何かを確かめるように、ゆっくりと袋の中を見つめる。


一つ取り出したのは牙。光沢があり、欠けもない。皮や爪も確認する。どれも損傷が少なく、完璧に近い状態だ。


「……素材の状態がかなりいいですね」


受付嬢は小さく頷き、唇をわずかに噛んだ。


「このレベルで状態が揃っているのは珍しいです。ここまで損傷が少ない素材そう多くは見ませんよ」


指先で牙の縁をなぞりながら、感心したように息を漏らす。


周囲でもざわめきが広がる。


「またあいつか?」


「いや、違うな……男じゃねえ」


「っていうか、あれ持ってきたの女じゃね?」


「マジかよ……すげえな」


(またってなんだ?)


視線が少しだけ増える。好奇心と値踏みが混ざった、落ち着かない空気。


受付嬢が顔を上げる。


「実は、こういう“状態のいい素材”をよく持ってくる方が、もう一人いらっしゃるんですよ」


ミアがぴくっと反応する。


「え、誰!? そんな人いるの?」


少し前のめりになる。目が完全に食いついている。


レンも興味を引かれたように顎に手を当てる。


「へえ……気になるな、それ」


受付嬢は少し考えるように視線を泳がせてから口を開いた。


「Dランクのユウさん、という方です」


(……ん?)


一瞬、思考が止まる。


「少し不愛想で、何を考えているか分かりにくい方なんですが……」


(やめろ)


「いつも無駄のない綺麗な討伐をされるので、素材の状態がとてもいいんです」


「へえ……!」


ミアが素直に感嘆の声を漏らす。


「それってさ、最初から狙ってやってるってことだよね? ただ倒すだけじゃ無理だし……」


自分の手元の袋をちらっと見て、小さく息を吐く。


「私なんか、勢いで切っちゃって傷だらけだったのに……」


レンが軽く笑う。


「まあ普通はそうなるよ」


「でも、それを安定してできるってことは……相当戦い慣れてるよな」


カイルは腕を組み、少し考えるように視線を落とす。


「ユーナと同じことやってるやつが他にもいるってことか……」


少し間を置いて、低く続ける。


「しかもそれで評価上がるなら、やらない理由はねえな」


「そうなりますね」


受付嬢は頷く。


「今回も同様に、品質補正が入ります」


「どれくらいだ?」


カイルがすぐに聞き返す。


「約一・五倍ですね。状態がいい分、買い取り価格が上がります」


「やっぱりか……」


カイルは小さく息を吐きながら、軽く笑う。


「数だけじゃどうにもならねえってことだな」


レンも頷く。


「逆に言えば、やり方次第で差が出るってことだよね」


「単純な力比べじゃないってのは、面白いな」


ミアは何も言わず、じっと袋の中を見ている。


さっきみたいな勢いはない。


代わりに、じっくり確かめるような目だ。


指先で、自分の素材の傷をなぞる。


「無駄に当ててるってことか……私」


少し悔しそうに笑う。


受付が終わり、報酬を受け取る。


「またのご利用、お待ちしております」


丁寧な声に、少しだけ肩の力が抜ける。


カウンターを離れると、カイルがすぐ隣に来た。


「なあ」


「なんだ」


「次、やり方変えるわ」


前を向いたまま言う。


「今までは数こなすの優先してたけど……それじゃ足りねえ」


軽く舌打ちする。


「無駄を削って動きも見直す。ちゃんと“残す”戦い方にする」


「そうか」


「……負けっぱなしは性に合わねえんだよ」


苦笑混じりだが、目は真剣だ。


ミアも一歩前に出る。


「私も」


短く言うが、そのまま続ける。


「さっき言ったこと、ちゃんとやる」


一度息を吸ってから、言葉を重ねる。


「周り見るし、無駄に振らないし……ちゃんと考えて戦う」


視線がまっすぐ向く。


「次は、“たまたま”じゃなくて、狙ってやる」


レンが柔らかく笑う。


「いいね、その感じ」


「なんか一気にパーティっぽくなってきたじゃん」


ミアが少しだけ照れる。


「まだ組んでないけどね」


カイルが口を挟む。


「時間の問題だろ?」


「お前は決めつけすぎ」


「いいじゃん別に」


カイルとレンが軽く言い合いになる。


空気は重くない。むしろ少し軽い。


カイルがこちらを見る。


「で、次いつ行く?」


(またか)


「知らん」


「は?」


カイルが眉をひそめる。


「今の流れでそれはねえだろ」


「予定決めてないだけだ」


「逃げてんだろ」


「逃げてない」


「絶対逃げてる」


「しつこいぞ」


ミアが吹き出す。


「ちょっとやめなよ二人とも」


笑いながら間に入る。


「でもさ」


手を軽く叩く。


「次も同じ感じで勝負しよ」


「今度はちゃんと“品質”で競うってことで」


カイルがニヤッと笑う。


「いいな、それ」


「次は負けねえ」


レンは肩をすくめる。


「僕は巻き込まれ確定か……まあ、面白そうだからいいけど」


「当然でしょ!」


ミアが笑う。


「一人だけ逃がさないからね?」


「はいはい」


(……元気だな)


少し息を吐く。


でも――


さっきより、空気は悪くない。


ギルドのざわめきの中。


それぞれが、少しずつ前に進んでいる。


その流れの中に、自分もいる。


そんな感覚が、ほんの少しだけあった。

皆さんブックマークと☆評価していただいてほんとにありがとうございます!!



なんか誤字話数がおかしい場合教えてほしいです

タイトルと今の内容合ってるか不安です。

いつも通りその場その場で設定加えてるからいけないんだ!


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