依頼達成!!
皆さんブックマークと☆評価していただいてほんとにありがとうございます!!
ミアとレンの過去編 構成完成しました!!お楽しみしばらく後ですね
早く過去編いきたいなぁ
ギルドに戻るころには、日もだいぶ傾いていた。
夕方特有のざわめきが、建物の中に広がっている。依頼帰りの冒険者たちが、報告や雑談で賑わっている。武器や防具の金属音、仲間同士の笑い声が混ざり合い、ざわめきが空間に反響していた。
扉を開けると、いくつかの視線がこちらに向く。
(…やっぱり、この視線には慣れないな)
無意識に肩を正し、足を早める。
「戻ったね」
レンの声が軽く耳に入る。
「先に報告しちゃおう」
「ああ!」
二人の足取りは自然で、声にも焦りはない。
カウンターには昨日と同じ受付嬢が立っていた。柔らかく微笑む。
「お帰りなさい。依頼の達成報告ですね」
カイルが先に袋を置く。
「討伐と素材回収、完了だ」
「確認しますね」
受付嬢は手際よく中身を確認する。動作は淡々としているが、指先は素材の状態を確かめるように慎重だ。
「……はい。数も十分ですし、問題ありません。安定した成果ですね」
「だろ?」
カイルは少し得意げに胸を張る。
しかし、視線はすぐに俺の方へ向けられる。
(わかりやすいな)
無言で見られているだけで、少し背筋が緊張する。
俺も袋を置き、受付嬢が中を覗き込む――手が止まった。
「……あれ?」
首をかしげ、小さく眉を寄せる。何かを確かめるように、ゆっくりと袋の中を見つめる。
一つ取り出したのは牙。光沢があり、欠けもない。皮や爪も確認する。どれも損傷が少なく、完璧に近い状態だ。
「……素材の状態がかなりいいですね」
受付嬢は小さく頷き、唇をわずかに噛んだ。
「このレベルで状態が揃っているのは珍しいです。ここまで損傷が少ない素材そう多くは見ませんよ」
指先で牙の縁をなぞりながら、感心したように息を漏らす。
周囲でもざわめきが広がる。
「またあいつか?」
「いや、違うな……男じゃねえ」
「っていうか、あれ持ってきたの女じゃね?」
「マジかよ……すげえな」
(またってなんだ?)
視線が少しだけ増える。好奇心と値踏みが混ざった、落ち着かない空気。
受付嬢が顔を上げる。
「実は、こういう“状態のいい素材”をよく持ってくる方が、もう一人いらっしゃるんですよ」
ミアがぴくっと反応する。
「え、誰!? そんな人いるの?」
少し前のめりになる。目が完全に食いついている。
レンも興味を引かれたように顎に手を当てる。
「へえ……気になるな、それ」
受付嬢は少し考えるように視線を泳がせてから口を開いた。
「Dランクのユウさん、という方です」
(……ん?)
一瞬、思考が止まる。
「少し不愛想で、何を考えているか分かりにくい方なんですが……」
(やめろ)
「いつも無駄のない綺麗な討伐をされるので、素材の状態がとてもいいんです」
「へえ……!」
ミアが素直に感嘆の声を漏らす。
「それってさ、最初から狙ってやってるってことだよね? ただ倒すだけじゃ無理だし……」
自分の手元の袋をちらっと見て、小さく息を吐く。
「私なんか、勢いで切っちゃって傷だらけだったのに……」
レンが軽く笑う。
「まあ普通はそうなるよ」
「でも、それを安定してできるってことは……相当戦い慣れてるよな」
カイルは腕を組み、少し考えるように視線を落とす。
「ユーナと同じことやってるやつが他にもいるってことか……」
少し間を置いて、低く続ける。
「しかもそれで評価上がるなら、やらない理由はねえな」
「そうなりますね」
受付嬢は頷く。
「今回も同様に、品質補正が入ります」
「どれくらいだ?」
カイルがすぐに聞き返す。
「約一・五倍ですね。状態がいい分、買い取り価格が上がります」
「やっぱりか……」
カイルは小さく息を吐きながら、軽く笑う。
「数だけじゃどうにもならねえってことだな」
レンも頷く。
「逆に言えば、やり方次第で差が出るってことだよね」
「単純な力比べじゃないってのは、面白いな」
ミアは何も言わず、じっと袋の中を見ている。
さっきみたいな勢いはない。
代わりに、じっくり確かめるような目だ。
指先で、自分の素材の傷をなぞる。
「無駄に当ててるってことか……私」
少し悔しそうに笑う。
受付が終わり、報酬を受け取る。
「またのご利用、お待ちしております」
丁寧な声に、少しだけ肩の力が抜ける。
カウンターを離れると、カイルがすぐ隣に来た。
「なあ」
「なんだ」
「次、やり方変えるわ」
前を向いたまま言う。
「今までは数こなすの優先してたけど……それじゃ足りねえ」
軽く舌打ちする。
「無駄を削って動きも見直す。ちゃんと“残す”戦い方にする」
「そうか」
「……負けっぱなしは性に合わねえんだよ」
苦笑混じりだが、目は真剣だ。
ミアも一歩前に出る。
「私も」
短く言うが、そのまま続ける。
「さっき言ったこと、ちゃんとやる」
一度息を吸ってから、言葉を重ねる。
「周り見るし、無駄に振らないし……ちゃんと考えて戦う」
視線がまっすぐ向く。
「次は、“たまたま”じゃなくて、狙ってやる」
レンが柔らかく笑う。
「いいね、その感じ」
「なんか一気にパーティっぽくなってきたじゃん」
ミアが少しだけ照れる。
「まだ組んでないけどね」
カイルが口を挟む。
「時間の問題だろ?」
「お前は決めつけすぎ」
「いいじゃん別に」
カイルとレンが軽く言い合いになる。
空気は重くない。むしろ少し軽い。
カイルがこちらを見る。
「で、次いつ行く?」
(またか)
「知らん」
「は?」
カイルが眉をひそめる。
「今の流れでそれはねえだろ」
「予定決めてないだけだ」
「逃げてんだろ」
「逃げてない」
「絶対逃げてる」
「しつこいぞ」
ミアが吹き出す。
「ちょっとやめなよ二人とも」
笑いながら間に入る。
「でもさ」
手を軽く叩く。
「次も同じ感じで勝負しよ」
「今度はちゃんと“品質”で競うってことで」
カイルがニヤッと笑う。
「いいな、それ」
「次は負けねえ」
レンは肩をすくめる。
「僕は巻き込まれ確定か……まあ、面白そうだからいいけど」
「当然でしょ!」
ミアが笑う。
「一人だけ逃がさないからね?」
「はいはい」
(……元気だな)
少し息を吐く。
でも――
さっきより、空気は悪くない。
ギルドのざわめきの中。
それぞれが、少しずつ前に進んでいる。
その流れの中に、自分もいる。
そんな感覚が、ほんの少しだけあった。
皆さんブックマークと☆評価していただいてほんとにありがとうございます!!
なんか誤字話数がおかしい場合教えてほしいです
タイトルと今の内容合ってるか不安です。
いつも通りその場その場で設定加えてるからいけないんだ!




