SS 新人騎士 ルーク
あまりにもグレン隊長がポンコツなので戦闘シーンを書いてみました。
少しは……マシになっていたら嬉しいです。
◇『グレン戦』
「よし、今日は新人の実力を確認するために試合形式だ」
グレンが騎士たちを演習場に集めて訓練内容を発表する。
そこでスッと手が上がった。
「俺は、隊長と対戦したいです」
周囲がざわめく。
彼は、期待の新人として周知されている。
入団試験を優秀な成績で突破した人物だった。
「……ルーク、だったな?いいだろう。お前が一番手だ。他に希望者は?」
「じゃあ、俺も、そこのルークと戦ってみたいな。自分で『天才』新人の実力を確かめてみたいし」
副長のトーマスが手を上げた。
古参の騎士が肩を竦めた。
そして、若手は熱狂したのだった。
「じゃあ、相手が降参するまでな」
「はい」
ルークとグレンが剣を構えた。
審判役が声をあげる――と同時に、ルークが動く。
地面を力強く踏み込む。
正面からの斬撃を避けるべく、斜めから回り込んでいた。
斬り上げる。
――ガンッ!
それは軽く防がれ、逆に力で体ごと後ろに飛ばされた。
しかし、彼は体を翻してまた懐に入っていく。
――キーンッ!
「度胸は認める……が!」
鍔迫り合いから力を抜き、
グレンは剣を反転させる。
ルークの背中に衝撃が加わり地面に倒れ伏した。
◇『トーマス戦』
ルークは、気を持ち直して剣を構えた。
やはり王都でも有名な隊長には敵わないか――。
しかし、副長の実力は聞いたことがなかった。
体格もあまり変わらない。
戦闘スタイルも似ているかもしれない。
――独特な構えだな。
剣を正面から構えるわけじゃなく、半歩足を後ろに下げて、体を斜めに向けている。
まぁいい。
――ダッ!
身を低くして、相手に近づく。
それを見越したかのようにトーマスの剣先が動く。
だが、こちらも想定済みだ。
キンッ!
連撃でいく。
キンッ!
キンッ!
三連撃、全て受け流される。
しかし、受けるだけか?
グンッと体を旋回させて、逆袈裟で切り上げる。
――避けられた!
その瞬間に、脇腹に剣が入った。
「大振りは、命取りだよ。――天才くん」
ルークの完敗だった。
地面に大の字に転がって空を眺めた――その時。
「コラ、ポピーー!!それはサラに作ってもらった弁当だーー!!」
グレンの大声が遠くで聞こえた。
トーマスの方を見ると、彼は一瞬肩を竦めただけだった。
「あの……あれが『戦場の番犬』グレン隊長ですか……?」
ルークが思わず呟くと、トーマスは手を差し伸べながら笑った。
「今は、弁当の番犬だね。まぁ、これからよろしくな。ルーク」
ここまで読んでくださってありがとうございます!
本編は甘々ポンコツ騎士ラブコメでしたが、
SSではちょっとだけ騎士団の日常をのぞいてもらいました。
ルークくんは「才能はあるけどまだ未完成」枠です。
伸びしろ担当です。
隊長グレンには力でねじ伏せられ、副長トーマスには技術と経験で完封され、静かに現実を突きつけられました。
ルーク視点のお話も
もしかしたらそのうち生えてくるかもしれませんね。
改めて、本編&SSまで読んでくださって
本当にありがとうございました!
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