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追放令嬢は辺境の廃村で美食の楽園を創る〜土と炎で紡ぐ、真の幸福レストラン〜  作者: 緋村ルナ


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エピローグ:アメリアの庭は今日も輝く

 数年後。グリムロック村は、もはやかつての面影など微塵も残っていなかった。かつて廃墟だった屋敷は、今では王国随一の美食の殿堂『アメリアの庭』として、毎日、国内外から訪れる客で賑わっている。そして、この場所は、ヴァレンシュタイン侯爵領として、王国で最も豊かで幸福な地域として知られていた。


「アメリア様、そろそろ休憩を!」「お嬢様、この畑の収穫時期はもう少しですよ!」


 村人たちの声が、優しくアメリアに語りかける。侯爵夫人となったアメリアは、今も変わらず、朝早くから畑に出たり、厨房でルイスと共に新しいメニューを考案したりと、精力的に働いていた。高慢だった令嬢の姿は完全に消え去り、その瞳には、穏やかで優しい光が宿っている。


「ありがとう、皆さん。でも、もう少しだけ。このレタスが、一番美味しい時に収穫してあげたいの」


 アメリアの言葉に、村人たちは笑顔を向けた。彼女の料理は、もはや技術を超えて、人々の心を癒す「幸福の魔法」として、語り継がれている。


 そして、アメリアの傍には、いつもレオンハルトがいた。頼れる侯爵領の執政官として、そしてアメリアを心から愛する夫として、彼は常に彼女を支え、守り続けている。二人の間には、土と緑の香りが混じり合うような、穏やかで温かい愛情が満ちていた。


「母さまー! 父さまー!」


 畑の向こうから、元気な子供の声が聞こえてくる。二人の間にもうけられた愛らしい子供が、小さな足を一生懸命動かして、アメリアとレオンハルトのもとへ駆け寄ってくる。アメリアはしゃがみ込み、小さな身体を抱きしめた。その温かさに、アメリアの心は、かつてないほどの幸福感に包まれた。


 王都の虚飾とはかけ離れた、この辺境の地で、アメリアは自らの手で真の豊かさと幸福を掴んだのだ。泥にまみれ、汗を流し、愛する人々と共に生きる日々。それは、貴族としての名声や富では決して得られない、かけがえのない宝物だった。


『アメリアの庭』には、今日も、温かい笑顔と、幸せの香りが満ちている。

 そして、その幸福の香りは、ヴァレンシュタイン侯爵領の豊かな大地から、静かに、しかし確かに、王国の未来へと広がっていった。

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