最初の味方
翌日の昼休み、俺は校舎の屋上で缶コーヒーを片手に考え込んでいた。
「よう、暗い顔してどうした?」
早坂悠真が、どこからか現れて、俺の隣に座る。
「別に……」
「嘘つけ。おまえ、すげー顔してたぞ」
缶を片手に、早坂は俺を覗き込んだ。
「家族のことか?」
……鋭い。やっぱり、こいつ只者じゃないな。
「……ちょっとな」
「話してみ? 案外スッキリするかもよ」
少し迷ったが、俺は鷲尾の話をした。もちろん、“鑑定”のことは伏せて。
「親父の会社にさ、最近来るようになったコンサルがいて。なんか胡散臭いんだ」
「ふむ。両親は信じちゃってる感じ?」
「がっつり。完全に信用してる」
「やべーな、それ。証拠とかは?」
「今探してる。何か掴めればって思ってるけど……」
早坂はしばらく缶を口に運びながら考え込み、やがてにやっと笑った。
「よし、手伝うわ」
「は?」
「おまえのこと、気に入ってるしな。面白そうだし、なにより友達だから」
> 【好感度】:+31
> 【心の声】:「こいつのことは信じられる。支えたい」
胸の奥がじんわりと温かくなる。こんなふうに人に頼れるのは、前世ではなかった感覚だ。
「……ありがとな、早坂」
本当の意味で、俺の“最初の仲間”ができた気がした。




