表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/34

迫る影、試される力

月曜の朝。事務所に届いた一通のメールが、空気を変えた。


「……コンペの運営から通達が来た。事前の進捗確認に、“中間評価”が組み込まれることになったらしい」


父の声が硬い。

会議室にいた俺と早坂、光、美月の顔にも緊張が走った。


「え、それってどういう……?」


「プレゼン前に、チームの進捗・方向性・構成内容を、商店会の担当者と中間審査員に見せて判断される。

見込みがないと判断されたら、その時点で失格。企画提出のチャンスすら与えられない」


重い沈黙が流れた。


父が、資料の束を机に置きながら続ける。


「正直、社内としては“若い目”に賭けている。

けれど、商店会の中には“経験の浅いチームに任せるのは不安”という声もある。

君たちが所属している天城企画はプロだが――若手主体の構成に対して、警戒されているのが現実だ」


「クロス・リンク側、先に動いてるな」


早坂が低く呟く。

俺はスマホを操作して、地元特化型の口コミアプリを開く。


地元掲示板の投稿には、こんな文面があった。


『学生チームで作るって本当?』

『失敗したら誰が責任取るの?』

『地元のイベントに“実験”はやめてほしい』


名指しではない。だが、あきらかに俺たちを指している。


「これ、わざとだよな……」


「内容的に、おそらく関係者だろうな。会合か内部LINEで話が出て、それを“外部の声”に偽装して流してる」


「……本気で潰しにきてる」


光が、資料の端を強く握る。


「プレゼンまで、あと五日。ここが“本当の勝負”だな」


俺はホワイトボードに「残り5日」と書き込んだ。


───《状況解析:クロス・リンク》────

動向:商店会幹部への接触/口コミサイトでの印象操作

狙い:若手チームの信頼低下 → 審査段階から外す

対策:提案内容の完成度+“姿勢”と“誠意”の伝達が鍵

────────────────────


「やってやろうぜ」


早坂の声に、全員が頷いた。


これは、“俺たち”の存在を賭けた試練だった。

勝たなきゃ、次はない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ