表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/34

誘いの言葉、はじめてのオファー

「これ、自分で作ったの?」


「え? あ、うん……趣味で。こういうの作るの、楽しくて」


光は少し照れたようにスケッチブックを抱え直す。


「へえ、すごいな……。なんていうか、ちゃんと“伝えるデザイン”になってるよね。

うち、広告系の会社やっててさ。こういうの見慣れてるけど、これは目を引く」


光の手が止まった。驚いたような、でも嬉しそうな顔だった。


「……ほんとに? 今まで、そう言われたことなくて」


「マジで。正直、びっくりした」


「でも、俺……学校でちゃんと学んでるわけじゃないし、知識とか全然なくて……」


光の声には、期待と不安がないまぜになっていた。

俺はその揺らぎを受け止めるように、“鑑定”を起動する。

───《鑑定結果》────

名前:佐藤 光(17)

感情:戸惑い(本心)

内心:「本当は、誰かにちゃんと見てもらいたい。でも笑われたらって思うと怖い……」

信頼度:+8

スキル傾向:デザイン構成:S / 色彩感覚:A

特性:即興スケッチ/広告構成/配色バランス

向いている職業:グラフィックデザイナー/広告プランナー

将来性:技術面は高水準。実践と成功体験を重ねれば、大きく成長する可能性大。

────────────────

なるほど。やっぱり、そういうことか。


「君さ、誰かにちゃんと見てもらいたいって、思ってるよな」


光の視線が上がる。目がわずかに揺れていた。


「でも怖い。笑われるかもしれないし、期待されるのも苦しい。……違う?」


「……なんで、それ……」


「なんとなく。でも、俺には君の作ったものがちゃんと伝わったよ」


少し沈黙があってから、俺は言った。


「いきなり何かお願いするつもりはない。ただ、うちの会社に一度来てみてほしい。

空気を感じてもらって、それで“何か”を感じたら、その時は、何か始めてみよう」


光はしばらく黙っていたが、やがて小さく頷いた。


「……見に行くだけなら」


「ありがとう。それで十分だよ」


目の前の少年が抱えている迷いは、きっと誰にでもある。

でもその一歩を踏み出せたなら――それは、もう“才能”なんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ