もう一人の観察者
次の日の昼休み。
教室の窓際で弁当を食べていると、誰かの視線を感じた。
「……ん?」
ちらりと横を見ると、前の席の女の子――月島詩織が、じっとこちらを見ていた。
「月島?」
声をかけると、彼女ははっとして目をそらす。そして、少し頬を赤らめながら笑った。
「ご、ごめん。なんか考えごとしてて……」
「そっか。……よかったら、一緒に食べる?」
「えっ……いいの?」
「もちろん」
詩織が席を移動してくる。幼馴染というだけで、久々に話したばかりだけど、不思議と空気が自然だった。
「ねえ、蓮くん。昨日から、早坂くんとよく一緒にいるよね?」
「うん、ちょっとね。頼れるやつなんだ」
「……何か、困ってることあるの?」
彼女の目は優しいけれど、真剣だった。もしかして、何か察してるのか?
自然と鑑定の目が発動する。
【名前】:月島 詩織
【年齢】:17
【表情】:心配(本心)
【好感度】:+52
【心の声】:「何かあったのかな……助けになれたらいいのに」
……ほんと、詩織は昔から変わらない。人の痛みに敏感で、放っておけない性格だ。
「大丈夫。ちょっと家のことでバタバタしてるだけ」
「そっか……。でも、無理はしないでね。蓮くんが笑ってる方が、いいから」
その言葉が、じんわりと胸に染みた。
ありがとう、詩織。
今はまだ話せないけど、きっといつか――。




