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繋がる点と線

放課後、早坂と俺は再びファミレスに集まった。

昨日の書類の写真を見ながら、俺たちは鷲尾の意図をひとつひとつ確認していく。


「これ、マジでよくできてるな。ぱっと見だと、親切な経営支援に見える」


早坂が資料を指差しながら呟いた。


「でも、文章の端々に“委任”“権限”“責任移譲”ってワードが隠されてる。これ、うちの親父、気づいてないと思う」


「ってことは、最悪の場合……」


「会社を乗っ取られる」


言葉にするのが怖いほど、現実味のある危機だった。


「しかも、もし助成金が絡んでたら、行政の名前を盾にして“信用できる風”に見せかけられる。厄介だ」


「……やっぱ早坂、詳しいな」


俺が思わず口にすると、早坂は少し間を置いてから、笑った。


「ま、うちの実家も昔、ちょっと似たようなことがあってな。親が騙されかけたんだよ。俺、あのとき何もできなくて、すげー悔しかった」


「……だから、俺に協力してくれてるのか?」


「そりゃまあ、それもある。でも一番は……」


そう言って早坂は俺の肩を軽く叩いた。


「おまえ、俺の友達だからな。そういうの、放っとけないんだよ」


【好感度】:+38

【心の声】:「あの時できなかったこと、今ならできるかもしれない」


心の中に、静かに火が灯る。

過去の悔しさを胸に、今を支えてくれる仲間。俺は、本当に恵まれている。


「ありがとう、早坂。俺、絶対に会社守るよ」


「おう。俺たちの作戦、ここからが本番だな」

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