ゴブリンの生態
端末AI:おはようございます。本日は、どのような情報をお探しでしょうか?
ターミナル環境:ドレック民間通信部より経由
閲覧可能記録タイトル一覧を表示します……
『戦場記録:クロウ・ハザマによる単独殲滅行動録』
『ゴブリン個体群の生態について』 ◀
『ゴブリンと会話したという元傭兵の記録』
『一般型群による挟撃パターン再現映像』【閲覧注意】
『戦闘記録局発行:危険指定個体照会台帳 第八版 』
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『ゴブリン個体群の生態について』
それは理屈では解き明かせぬ“災厄の生物”
ここに記すは、この世界唯一の怪物──ゴブリンの生態記録である。
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◤概念と存在◢
起源不明:いかなる歴史記録にも、ゴブリンの起源は記されていない。既存の生物体系に該当せず、初出は複数都市での同時多発的出現だったとされる。
生物兵器説、異界由来説、あるいは進化の異常収束体など、諸説あるが、いずれも証明されていない。
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◤基本的特徴◢
見た目︰身長はおよそ少年期の平均身長(146cm)。痩せ型で、緑〜土色の皮膚を持つ。
頭部は大きく、耳は尖り、目は爛々と光る黄色〜赤系。
衣服は拾い物や獣革の継ぎ接ぎが主で、粗末な装備を身につけている。
極端な個体差:同じ群れに属していても、体格・筋力・反応速度・知能が大きく異なる。
平均的な身体能力: 人間の中年男性レベルの筋力と瞬発力を持つ。
運動能力は未訓練の兵士をわずかに上回る程度だが、狭所や斜面での跳躍・攀じ登りに優れる。持久力は低い。
再生力:軽度の損傷であれば数分で治癒。重傷時は同族の死体を喰らうことで回復する。
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◤知能と模倣◢
言語模倣:人間の言葉を断片的に真似する個体が確認されている。命令や罵声など、戦闘時に多用される語句ほど真似されやすい。
行動学習:観察を通じて“戦術”を模倣する能力がある。上位階位と交戦し生存したゴブリン群は、以後その戦術を模倣する傾向を持つ。
装備再利用:戦場で死んだ階位の装備を回収・流用する個体が存在。回収困難な死亡者が出た場合は死体回収班への連絡を義務とする。
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◤融合 ・変異◢
金属や機械との融合:重装型において、金属片や装甲車の残骸などを取り込み外骨格化する現象が確認されている。
変異:特殊な環境下や一定数の戦闘経験を積んだ一般型個体が、急激な形態変化を遂げることがある。それを"変異"と名称した。
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◤分類型(現存種)◢
・一般型
最も数が多い基本種。凶暴だが思考は単純。
単体では脅威が少ないが、群れることで力を発揮する。
戦闘経験を重ねることで他の型(指揮官・飛翔・重装・特殊)へと変異する可能性がある。
・指揮官型
ゴブリン集団を統率する知性特化の個体。
他種より頭部が大型で、独自の発声・戦術指示を行う能力を持つ。
出現時は周囲のゴブリンの士気・行動が大幅に向上するため、優先排除が推奨される。
・飛翔型
背部に皮膜状の翼を持ち、短距離の滑空や奇襲に特化した変異種。
空中からの急降下攻撃・偵察・撹乱を得意とし、地上戦主体の部隊には厄介な存在。
体格は一般型よりやや小柄で、装甲は軽く機動性重視。
高所・市街・森林などの立体戦で特に警戒される。
・ 重装型
金属片や装甲車の残骸などを身体に取り込み、外骨格化した変異種。
圧倒的な防御力と膂力を誇り、鈍重だが正面突破に特化する。
一般型が廃墟や戦場残骸に長く潜伏した際などに変異する例が多い。
通常の銃撃では止まらず、対装甲火器や上階位の兵装が必要とされる。
・特殊型
知性・身体構造・能力のいずれかが異常進化した極めて稀な変異種。
火炎・幻覚・擬態・電撃など、通常個体にはない異質な能力を持つ場合がある。
出現数は極端に少ないが、戦況を覆す脅威性を持つため最優先排除対象。
多くは環境や戦闘経験が極限に達した一般型が変異したとされる。
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◤弱点と脅威◢
明確な“急所”は存在しない。ただし、神経集中点が複数あるため、頭部・脊椎・心臓のいずれかを破壊することが確実とされる。
群れでの連携:1体1体は倒せても、連携の取れた群れは脅威。分散型思考ネットワークを持っているとされ、指揮官型の排除が困難。
進化速度:人類側が新兵器を導入した場合、それに対する特殊型が出現された※実例がある(例:音波撹乱に対して聴覚排除型が生まれた等)。
※詳細は《第十三次北部ビル群掃討戦戦況総括》より参照されたし
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◤《危険度分類:ゴブリン個体》【全Ⅴ段階】◢
■【Ⅰ:緑帯級】
・危険度:低(C階位単独で対処可能)
・該当種:一般型・若年体・負傷個体
・備考:単体の知性・戦力は極めて低く、C階位ならば制圧に問題なし。
「訓練用模擬弾で仕留めた」という噂すら存在する。
■【Ⅱ:黄帯級】
・危険度:中(B階位一人で対応可能)
・該当種:古参一般型、変異兆候のある個体
・備考:戦術性や待ち伏せを伴う知性を見せる場合あり。
装備が整っていればC階位上位複数〜B階位で対応可能だが、油断すれば死を招く。
■【Ⅲ:灰帯級】
・危険度:高(B階位以上が望ましい)
・該当種:指揮官型・飛翔型・重装型・特殊型
・備考:人語理解/武装使用/戦術連携/固有能力などの高度な兆候あり。
小隊規模での対応が推奨され、街区レベルの被害を出す例も確認されている。
■【Ⅳ:黒帯級】
・危険度:極高(A階位級の出動が基準)
・該当種:危険指定個体
・備考:記録上、局地殲滅/兵站破壊/士気崩壊を引き起こす力を持つ。
単体で部隊を全滅させる例もあり、B階位以下が遭遇時には即時通報および戦線後退が推奨される。
■【Ⅴ:白帯級】
・危険度:最上位(都市規模脅威)
・該当種:未確認・極限変異体・極秘危険指定個体
・備考:出現自体が稀。速急の殲滅作戦が優先される。
かつて《ドレック近郊・ラクグ坑道》に出現した“特殊型”が該当し、
A階位五名中三名死亡という記録が残る。
対応にはS階位の投入が想定される。
補足:
この分類は城塞国家ヴァラノスの兵科情報局および傭兵都市ドレック傭兵評議会の双方で共有されている“簡易危険指標”です。
特に【黒帯級】以上の個体は発見=戦術的緊急事態とみなされます。
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『戦闘記録局発行:危険指定個体照会台帳 第八版 』
【機密指定︰A階位正式傭兵契約者以上】
—アクセス制限通知—
この記録は、《ドレック契約連盟》および《戦闘記録局》の共同監査によって発行されたものだ。
閲覧資格はA階位以上に正式認定された傭兵契約者に限られる。
B階位以下、または契約破棄・失効者のアクセスは即時遮断となる。
—監視・記録—
本データには契約コード/視線追跡/閲覧環境の全てが自動収録される。
不審な接続は企業連合通信網《リスコード》を通じて自動通知され、最寄りの企業連合監査局へ報告される。
──アクセス要求を受理。照合シーケンス起動。
《ドレック契約連盟》および《戦闘記録局》認証網に接続中……
深層通信帯より暗号化ログを受信……
照合プロトコル【-SECURE-】展開開始。
【アクセスログ照合:A階位以上】
> 識別信号確認:完了
登録コード《A-ACT-*****》、認証済。
閲覧者:A階位正規傭兵契約者、アクセス権限:限定開示
ターミナル環境:ドレック民間通信部より経由
監視系統:企業連合通信網連動中/異常なし
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◤危険指定個体名:“猿真似”◢
分類種︰特殊型
危険度︰黒帯級
概要:
A階位以上の戦闘記録を複数回にわたり“観察・解析”し、真似るのではなく体得したかのように戦場で振る舞う個体。
身体能力は人間の限界を優に超えており、動きは洗練され、無駄がない。そのため解析した人間以上のパフォーマンスを発揮する。
何より恐るべきは、その“戦術判断力”。単なるコピーではなく、「戦術の応用と変形」が可能である。
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脅威要素:
複数戦術の統合運用:突撃・奇襲・撤退・陽動・分断……すべてを“使い分ける”。
装備応用能力:取得した兵装を人間には不可解な能力によって復元、再利用、応用する。
学習性の累積:一度でも過去に接敵した人間の行動パターンは完全に読まれている可能性が高い。恐らく”癖”まで読まれている。
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対処法:
単独戦闘は自殺行為:郡勢を率いている可能性が高いため必ずA階位2名以上の協力体制で戦うこと。各員は異なる戦術を採用すべし。
記録改竄対策:戦術の暗号化。模倣されるリスクを考慮し、都市間での記録共有を制限する動きもある。
予測不能の“狂気的行動”をあえてすること:模倣してくるのであれば解析する余地を与えないこと。
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「A階位傭兵が死んだ時、その死を記録したのは仲間ではなく、敵だった」
──《ドレック》戦闘記録局・元戦術官の証言より
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◤危険指定個体:“ベラトール”◢
分類種︰特殊型
危険度︰黒帯級
概要:
通常のゴブリンとはまったく異なる思考傾向を持つ特異個体。
複数戦ではなく、「一対一」に特化した戦闘傾向を持ち、周囲の敵味方に対して“無視”の態度を取る。
一人の敵を選び、その相手が死ぬか、戦意を喪失するまで一切の干渉を許さず、ビルの屋上や広場のような決闘空間に佇む。敵が自分の元まで来なかった場合は暴走化する。
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脅威要素:
異常な身体制御と反応速度:B階位との10連戦を1対1で確実に倒せる精密な近接戦技を持つ。
意図的な“挑発”能力:相手を怒らせ、冷静さを奪い、戦術を崩す行動を頻繁に取る(例:武器を捨てる、戦友の死体を利用する等)。
戦闘中の“成長”:戦闘が長引くほど、相手の癖を学習し、最適なカウンター動作を身につけていく。
撃破後の“儀式”:殺した敵の頭部を丁寧に拭い、持ち帰るなど、敬意を示す不可解な行動が記録されている。
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対処法:
複数人による干渉は意味がない:決闘対象以外への反応は極端に薄く、もしくは無視される。だが、強引に割って入ろうとすれば瞬時に暴走化の危険がある。
短期決戦が必須:戦闘時間の経過=個体強化と考えてよい。初動で制圧できなければ生還確率は著しく下がる。
精神安定剤・錯乱遮断フィルターの装備を推奨:異常なまでのプレッシャーにより、錯乱や自壊を起こすケースも報告されている。
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“ベラトール”──
その戦闘には理性がない。だが狂気もない。
あるのはただ、純粋な個人戦へ執着だ。
殺す理由も、殺す快楽も持たず。
ただ、“生と死の正面勝負”を求め続ける異形の怪物。
それゆえに、
この個体は、特殊型ではなく──戦士そのものと呼ばれるのだ。
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【機密指定:S階位認証限定】
> —閲覧制限事項—
下記の記録は、《ドレック企業連合特別戦略局》ならびに《統合監査上層評議会》の命により、
S階位正式傭兵契約者のみに閲覧を許可する絶対機密情報と定められる。
> —アクセス警告—
これより先は、S階位でなければ閲覧そのものが違法行為と見なされる領域。
認証階位未達の接続試行は、即時追跡・契約破棄・身体的排除の対象となる。
──アクセス要求受信。階位照合シーケンス起動。
プロトコル【S-Lock・Ω】に従い、閲覧許可条件を精査中……
認証階位:未達。
アクセス端末:制限付き回線。
応答コード:拒否:階位不足。
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【アクセス拒否通知:S階位限定記録】
> ⚠️ 認証失敗
あなたの階位(現在:A階位)は、この記録の閲覧条件(S階位正式傭兵契約者)を満たしていません。
【警告】
閲覧試行は既に《軍部監察端末》に記録されました。
即時追跡・契約破棄・身体的排除の対象となります。その場から動かないでく
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端末AI︰ご利用ありがとうございました。戦域の平穏を祈っております。またのアクセスをお待ちしております。