表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

パスワード

作者: 南郷 進

繋がりを残す約束は無くなって、掛ける言葉も焼け落ちる。

黒く塗り潰した手紙が束になって、存在証明の保管場所を埋め尽くしてしまう。

震えるメッセージは切断された。

言いかけた言い訳は、退屈しのぎの餌に格下げされて廃墟の城を漂っているだけ。

自信ありげに並べられた血族の足跡に恐れおののいて、進めるはずの道すら無くしてしまう。

颯爽と歩く群衆に惜別の歌を!

淀んだ声を転がして、秘境になれない心の底へ。

貪れ、貪れ、原形留めぬ未来を目指して!

優しい弱さを棄ててまで、すがりつく未来に何を見る!

ばら蒔かれる暗証番号を手にして、今日も一時の恋人を演じているあなたは誰ですか?

甘い笑顔を味わいたくて、不必要な荷物を預けてしまう私は誰ですか?

終着の知らせは、無意味に難解な合い言葉を授けてくれる。

サインをくれ!サインをよこせ!

これで今日はお別れ。

滑らかなペンを駆使して、言いかけた言葉は塗り潰される。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ