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2-4 お市様とお茶を

 一度行ったから北ノ庄城へはいつでも瞬間移動できるようになったのは大きいな。

 ちょっと時間がある時に茶々に会えるようになった。


「どうして見つかっちまったんだろう?」


ごうが見張ってたのよ。

 お姉ちゃんだけ、ぐりふぉん乗ってずるいって」


「今日はまぁともかくとして、できたら次は茶々と二人がいいなぁと」


「うん私も……うまくごまかせるようにするね」


 茶々には二人の妹がいて、十二歳のはつと九歳の江だ。

 末の妹の江はたしか大河ドラマで見た記憶があるが、真ん中の妹の初に関してはよく知らない。

 茶々のところに遊びに行っても、この二人がまとわりついてくるのが問題だ。

 あまりすげなくもできないし。


 茶々たち三姉妹を連れて北ノ庄からすぐの山へピクニックに行っていたところ、初雪がチラホラと。

 雪が積もれば柴田勝家の行動は大きく制限される。

 ここに来てるのはあくまで茶々とのデートが目的だからな。

 雪の積もり具合を確認しにきてるわけじゃないんだからな。

 まぁ雪が積もったら連絡しろと官兵衛から言われてることは確かだが。


「くしゅん」


 江が可愛らしいくしゃみを。

 三姉妹に風邪でもひかれちゃ大変だから、北ノ庄城へ瞬間移動で帰還。

 お市様のところへ三姉妹を送り届けた。


「あらあら、お早いお帰りで」


 茶々たちはお市様の指示で、お風呂に入って着替えてらっしゃいということで、侍女たちに連れて行かれてしまった。

 そのまま、お市様がお茶をいれてくれるというのでご相伴に。


「雪が降ってきたからな。姫様たちが風邪ひいたら大変だ。

 柴田のおっさんにぶん殴られちまう」


「家来衆はいろいろうるさいようですが、何故か菅原様はあの人に信用されてるようですね?」


「信用?

 あー、俺が茶々たちを誘拐して人質にしたりってことか。そりゃないわ」


「そうなんですの?」


「仮に人質にとったとして柴田のおっさんが言うこと聞くわけもない。なにせ俺が茶々たちに危害を加えることなどありえないってバレてるからな」


「そういうことですのね」


「そんなことするくらいなら、俺が直接柴田のおっさんの寝首でも取っていったほうがはやいってもんだ」


「まぁ怖い。それでどうしてそうはしませんの?」


「俺がそういうことをしたくないって言うよりそういうことをやっちゃいけない。

 そんな気がするんだよな。

 説明できないけど、これはやっちゃいけないっていう勘を俺は大切にしてる。

 そうやって、いろいろやばい状況でなんとか生き残ってきた。

 それに、これはそういう戦いじゃなさそうだからな」


「よくわかりませんが」


「俺は除くとしても、どちらの陣営もお互いに長年同じ家に仕えてきたやつらばかりだ。

 家臣たちもお互いに親戚もいれば友人だってごろごろいる。

 そういう寝首をとるとかいうことでは決着はつかないんだろうな」


「ではどういうことに」


「どこかで一度ガツンとした戦いが要るんだろうな。

 柴田のおっさん、そういうの強そうだから、あまり真正面からはやりたくないんだが」


「あの人は菅原様と戦うことをなかなか楽しみにしてるようですよ」


「夫婦でそういう物騒な話とかしてるのか。

 それで柴田のおっさんは優しくしてくれてるのか?」


「まだなんか遠慮してるんですよね。

 もう夫婦になって一月もなるんだから、もうちょっと打ち解けてくれてもいいのにねぇ」


「昔から憧れてたお姫様なんだから、まぁしかたないか。

 柴田のおっさんも可愛いとこあるねぇ」


「本当にねぇ」


 後で柴田のおっさんのとこにも顔を出す約束だから、このネタで思いっきりからかってやるか。


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