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本日は晴天に。  作者: ガブリエラ可愛い
7/35

作戦7:祭と嵐

ども。

寿司食べたい。




「ということで俺達は地元の祭の準備手伝いをするぞっ」


「やったあ!」

「祭か!祭か!楽しみだ!」

「さすが隊長!」



毎年この時期は地元住民による夏の訪れを祝う祭が行われる。


軍も住民との関係を維持するために手伝うのが恒例なんだが…


暇そうな部隊、かつ、

めんどくさそうな祭の手伝いを押し付けられる部隊、

そんな都合のいい部隊いるわけ…



まあつまり、それうちの小隊のことだよね。



でも俺達にとっちゃ祭の手伝いなんて滅多にできないから楽しいイベントなんだけどね!

前線だとちょっとしたばか騒ぎはできてもお祭りとかはできないから!

もしかしたら今日のボランティアは俺が一番楽しみにしてるかもしれない!



「錦織さん錦織さん、昼は会合に出席してください」

「ほーい。酒出るから楽しみだぁ」



こういうお祭りの準備の打ち合わせっていうのはお酒が出るじゃん。

楽しくないわけないじゃん!



「なんで軍が地元の祭を手伝うんですか」

「なんだリン、知らないのか。地元住民と良好な関係を保つために軍が祭の手伝いに参加するのは当たり前なんだぜ」

「そうそう!私たちはいつも前線にいるから祭に参加できるのは滅多にないの」

「太鼓なら任せろ」

「五十嵐は太鼓好きそ~」



みんな盛り上がってきたか~

俺も楽しむぞ~!!












「いやぁ、錦織さんは若いし軍の人なのに話が分かるなぁ~」

「本当、うちに婿入りしてほしいよ!」

「いやいや、自分はそんな大層なもんじゃありませんて~。地元の皆さんは褒めるのが上手ですね!」



いやぁ、いい人たちで良かったなぁ~

みんな本当に楽しそうに飲んでる飲んでる。

会合には酒巻がついて来たけど他の皆はお留守番。

本格的に祭の準備をするのはおやつの時間ごろからだから。


でもやっぱりこうして初めて会う人達とお酒を飲むのって悪くないな~

多少はおじさん達の昔話に付き合わなきゃいけないけど。



「錦織さんって軍の中じゃ偉いんでしょ?」

「いや、それがですねぇ、上から目をつけられていて出世できないんですよ~!」

「そいつは残念だ!」

「がはははは!!」

「この前なんか無茶しちゃったら二週間もムショに入れられちゃったんですよっ!もうね、仕方ないでしょ!」

「なんじゃそりゃ!」

「あんたすごいわ!わっはっは!」



こんな感じで自分の失敗談を笑いのたねにできるのも酒の席だよな~

いやぁ本当に楽しい!




しばらくそんな感じで俺がタダ酒を楽しんでいたらクソ目障りな連中が会合(酒飲み)に乱入してきちゃった。




「たのもう!祭の会合の場とはここか!」

「軍人さん、その通りでございますが、どういったご用件でしょうか」



なんだあいつら?

祭の準備手伝いはうちの小隊だけが参加するはずだろう?




「祭の広場は我々が接収する!したがって諸君はただちに解散したまえ」



はいぃ?



「ええっ!?どういうことですか軍人さん!」

「なんじゃって!?」

「え、まじで?」



やばい、つい口を出してしまった。



「なんだ貴様は…いや、お前、前に見たことがあるぞ…そうか…まさかこんな所に“ゴミ虫“の錦織がいるとはな!」



うげっ、顔知られてる。



「錦織さん錦織さん、あの人、隣の基地から来てますよ…!ほら、堂本中将の副官です…!」

「ええ?なんで隣の駐屯地からわざわざ来てるんだ?」



どういうことだ?

さっぱりわかんね



「おい!錦織!貴様は話を聞いているのか?」

「はいはいはいはい、もちろん聞いてますよ!あなた様は堂本中将の副官の方ですよね?いやぁ誠に申し訳ありません!酒で酔っちゃってるから分からなかったです!すみません!」



とりあえずこの人が誰なのかが分からなかったのは謝っておこう。



「私は堀田少尉だ!堂本中将の身の回りの世話をしている!話を戻すが、急きょ中将は帝都より来賓をお迎えすることになった!ついてはただちに周辺一体の集会は禁止する!以上だ!」


な ん だ っ て ?


「そんな!軍人さん、それはあんまりだ!」

「この祭は毎年やってるんだ!堪忍してください!」

「黙れ黙れ!これは軍の命令だ!さっさと解散しろ!」



この堀田少尉の話はいくらなんでも唐突すぎる。

帝都からの来賓?

周辺一体の集会を解散させるって、あらかじめ集会の申請がされる祭も対象にするのは何故だ?

それほど重要な案件がなんで堂本中将の所に?


ここは素直に少尉に聞いてみよう。



「堀田少尉、なんで帝都から来る誰かのためにこの祭をやめなきゃいけないんですかね?」

「お前は上官の命令に従えばいいんだ」

「いやぁね、堀田少尉、このままだと軍と地元民の関係悪くなりますってぇ。それはまずいですよぉ。ほらぁ、少なくとも、来賓が来た理由と一年がかりで準備してきた祭の関係性が聞けないと、みんな困っちゃいますって。ね、堀田さん、悪いことは言わないから、みんなにちゃんと説明しましょ」



ザ・ベスト・オブ・下手とは俺のことです。


って、冗談言ってる場合じゃなかった!


頼むから正直に話してくれ~!

何が起きてるのか凄い気になる!!



「堀田少尉。私は錦織隊長の補佐官、酒巻です。地元民との良好な関係維持は軍の生命線と言っても過言ではありません。今ここで彼らの祭を強制的に中止させるのは得策ではないので、状況を地元民が納得できるよう、分かるように説明しましょう」

「………」



気になる!

すっごい気になる!

もう早く教えて!

待て、を言われた犬みたい!今の俺!



堀田少尉は少し沈黙したあとに口を開いた。

その衝撃の事実を知ってしまった俺は、










「皇帝陛下が誘拐された………!」













空いた口が塞がらなかったよね








ども。

食べたいものが多すぎて困ってます。

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