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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

独り言。

作者: 虚恵覚太郎

2月14日、学校の帰り道。


今日もどうでもいい男に囲まれながら


家に、帰るの。



生暖かくて、気持ち悪い雲が空を覆う


嫌な天気だ。



私は高校3年。


弟が居るのだけれど、

この子は夏ぐらいからおかしいの。



考え方が歪で、話し方もだらしなく、母を殴るようになって、もう3年も前に居なくなった父に対して「今となっちゃ俺の方が強いぜ」なんて言って見下し、髪型ばっかり気にして、服装ばっかり気にして、自慢話をするの。友達のばかりだけれど。




注意すれば、



だまれ、ぶす

くたばれ、ぶす

死ねよ、ぶす

殺すぞ、ぶす

犯すぞ、ぶす




私はこう言い返すの、



言葉と行動が合わない男は

惨めで、無様よ。と、


弟に、聞こえないように。



ちなみに、私はぶすではないわ。



人形みたいって言われるし、



最近、


目のクマがひどいのと

痩せてきたのが悩みだけれど



これすらも男受けするの。



守ってやりたくなる、なんて言うの。



いいえ、



護ってやる。かしら……。



さて、家に着いた。



ただいま。



…。



狭い廊下を歩き、


狭いリビングの小さいドアをあける。


キィーという嫌な音は毎回するけど、


慣れてるの。




いつも、

リビングには

テレビと小さいコタツしか 



無いのだけれど、


今日は


変わり果てた母があったわ。



長いあいだ履いているのであろう

ジーパンは


茶色い汚物というか、汁がついており、

今なお、そのシミは広がり続けているわ。



アゴがパクパク動いて、

餌を食べる金魚みたい。


鼻の穴もピクピク動いているわね。


おなか、

あら、妊娠したのかしらってぐらい


大きくなってる。



あぁ、近くの包丁…血が付いているわね。



おなか、刺されたのかしら。



掌、あー、防ごうとしたのね、

いっぱい切られているわ。

痛かっただろうね。



嘔吐物まである、、


死にかけて、気分が悪くなったのね。



空気が


淀んで、呼吸もしたくない。




母の指先、


これ………



弟のネックレス。




あーもうだめ。



弟に



していいことと、悪いことを教えなきゃ。



2階にいるのね、さっき音が聞こえたもの。




首を絞めよう。



女の私の力でどうにかなるのかしら。




弟は寝てたわ。


どんな神経してるのかしらね。


近くに私が使っていた薬の

空き箱があった。


そう、

これで寝たの。



でも、あなたの首を絞めるわ。



睡眠薬なんかでは


死ねないのよ。




そうだ、


この部屋で


入浴剤と浴槽洗剤を混ぜ合わせよう。



これがいいわ。





これで終わるわけだけれど、



楽しいこともあったのよ?



いきる意味より

死ぬ理由の方がはっきりしているの。




仕方ないわ。

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