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その夜、松岡と来たのはいつもの居酒屋。
雰囲気はいい訳じゃないけど安いし特に気にしてはない。
一緒にいるのはまぁ松岡だし。
「ねぇ、土岐川さん。」
私が最後の一個の唐揚げを口に入れたと同時に松岡が私を見た。
「なにー?」
「土岐川さんは彼氏いるんですか?」
あまりに唐突な言葉にむせた。
「わああっ!!すみません…。」
「なにもう、いきなり。死ぬかと思った…。」
「いや、あの、どうなのかなって前から気になってて。」
「付き合って…」
付き合ってるっていうのかな。
いわないよな、あれは。
「…る人はいないけど好きな人はいるよ。」
なんとなく松岡の顔は見れなかった。