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一人ぼっち

作者:
掲載日:2007/02/04


――ねぇ?どうしていつもソッチを向くの?……




彼は私に背を向けて、煙草をふかしている。

彼の目線はテレビの画面。


セックスの後は、いつもそう。

ベットから降り、ジュウタンの上であぐらをかく。

そして一服。


つんつん。


布団から足を延ばし、足先で彼の背をつつく。


何も反応しない。


『ねぇねぇ』


声を掛ける。それでも彼は何も言わない。


(スルだけが目的?)


考えちゃいけないのは解っている。解っているけど…時々、私は虚しくなる…。



(ねぇ?コッチを向いて…。一緒に居るのに、一人にしないでよ)


ねぇってば。


無言のテレパシー。彼に届くように背中をジッと見つめる。


(コッチを向いて)


だけど…どんなに頑張っても、やっぱり彼は振り向かない。


(本当は私のコト好きじゃないんだ。カラダだけが目的なんだ…)


疑い出すと止まらなくて、いろんな事を考えてしまう。急に心臓がキリキリと痛み出す。唇に力を込める。

我慢していても、目頭がどんどん熱くなっていく。


(きっとホンモノの彼女は他にいるんだ。私は遊びなんだ)


目いっぱいに溢れたものは、頬を伝って流れている。さらに唇を強くつむる。声を出さないように…。


『ひっ…く』


我慢しているのに、声が漏れてしまう。私の泣き声。


驚き振り向く彼。ダラダラ涙を流す私を見て、目をまぁるくする。


『なぁんだおまえ!何泣いてんの!』


彼は大笑い。


『へんな顔して泣くなよ〜』


手を延ばし、私を抱き締めた。


『どうした?』


彼の笑顔が嬉しくて。私は泣き笑いをした。そして、頭を優しく撫でられる。


私はアナタの彼女?


勝手な私の妄想。不安になると出てくる妄想。

そんな妄想も、彼に抱っこされると吹き飛んでしまう。

抱き締められ、抱き締め返し、彼の肌の匂いを吸い込む。大好きなこの匂いを…。



大丈夫。私は彼に愛されている。



こんな単純なコトで元気になれる。


だから、もう一人ぼっちじゃない。



今夜も、彼の腕の中で幸せに眠る……。


FIN

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― 新着の感想 ―
[一言]  日常の中でふいに感じる不安、恋愛の始めの方で感じる寂しさ、そういったものが繊細に描かれていて、少し切なくなりました。  余談ですが、男性は事を終えると疲れてボーッとしたくなる性質があるそう…
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