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9/12 3:33

今回のコメント


・マウントレーニアのカフェラテ・エスプレッソばかり飲んでます。


・文章が結構単純になってる。

第一稿だから言いのだと思うけど、書いてて気になってしまう……

でも書き直し始めたらきりないし、後で後で。今は走りぬこう。



***********************************



「この前の中間テストといい『輪転の誓い』の力は重要なのだと思うんですが、どうしてすぐに探さなかったんですか?」


 滝川先輩はため息をついた。先輩は頭をかきながら面倒くさそうに答えた。


「前も説明しただろ。お前の話を聞いて目をつけていたって」

「春と夏じゃあ期間が開きすぎでしょ」


 僕と滝川先輩はにらみ合ったまま、こう着状態になった。二人の状態を破ったのは高月先輩だった。


「今の問題を話し合いましょう。で、草弥君がお節介にも私の誤解を解いてしまったせいで、男子生徒の入部希望が望まないままに復活してしまったの」


 なんだかとても棘がある言い方なんですけど気のせいですかね。それにしても男子生徒の入部希望者が増えたことは、普通の部活動としては良いことなんじゃないだろうか。

 僕の考えとは関係なく、高月先輩は話を続けていた。


「ホント、余計なことをしてくれたわね。頼んでもないのにこんなこと……」


 高月先輩の言葉に僕はムッと来てしまう。なんだかこの展開がとってもデジャヴュなのは気のせいだろうか。


「いいじゃないですか。高月先輩の誤解は本当のことでしょ」

「私は別に今のままでよかったの」

「よくないでしょ。皆が高月先輩を恐怖の対象としてみてるんですよ」

「別に構わない。分かってもらえる人に分かってもらえれば」

「そんなの僕と滝川先輩しかいないじゃないですか」

「充分じゃない。君は不満なの?」


 一瞬、言葉を見失い、黙ってしまう。独り占めしたい(滝川先輩もいるけど)気持がないわけじゃない。だけど、やっぱり身近な人が、周りに誤解されているのは我慢ならないんだ。僕は生唾を飲み込むと、ハッキリとした口調で答えた。


「不満です。大いに不満です」


 すると高月先輩は「そう……」といって目を伏せた。長い睫毛がのぞく。少しだけ僕の胸が痛んだ。今ならさっきの発言は取り消しますって言えそう。だけど言っていいのだろうか? 僕の迷いに先じて高月先輩は俯きながら言葉を継いだ。


「君は……」

「はい?」

「男子生徒が増えても君は平気なの?」

「――え?」


 どこからか笛付きヤカンが沸騰して鳴らす音が聞こえてきそうなぐらい、高月先輩の顔が真っ赤になっていくのが、僕からでも分かった。しばらく俯いて肩を震わせていたけど、顔を勢いよく上げ、声を上げた。


「違う、違う! 唯一君が活躍できる場面を他の生徒に取られても平気なのって言いたかっただけ! 君はプライドないの? そんなに私とゆ……」

「『私とゆ……』ってなんですか?」


 『ゆ……』と言ったまま、高月先輩は動きを止めた。僕もそれに合わせて動きを止める。なんだか動いちゃいけない気がした。数秒後、先輩はぷいっと横を向いた。


「馬鹿じゃないの!」

「はい?」

「馬鹿、アホ、変態! ……いやらしい」

「変態は違うでしょ! いやらしいのは認めますが」


 言った後で後悔した。いやらしいのも認めちゃ駄目!

 僕が頭を抱えると同時に「は~あ」と滝川先輩の声が聞こえた。


「はいはい、もう仲良く喧嘩するのは止めてくれ」


「してません!」高月先輩と同時に答えてしまった。滝川先輩はジト目で僕と高月先輩をニヤニヤ見返す。僕まで顔が赤くなってしまった。

 僕らの反応を充分堪能した滝川先輩は腕組みして、僕へ話しかける。


「とにかくだ。お前の気持はありがたいが、もうウチの部は部員が必要ないんだ。わかるだろ? テストにこれ以上、誰も巻き込みたくないんだ」

「……わかりました」


 僕の存在価値はさておき、二人が望んでいないことを無理に勧めるわけにはいかない。渋々了承した。


「コンコン♪ 入りますよ~」


 いつも通り、話の終わりを待っていたかのように、扉が開いた。もちろん、あらわれたのは平光先生。今日は青を貴重とした着物で登場した。


「はいはい~、熱々なお二人には悪いですが、小テストの時間で~す」

「誰が熱々ですか!」また高月先輩と同時に答えてしまった。

「あれ~。私は別に亜也っぺと草っちなんて言ってないのに~。ユーミン置いてけぼり?」


 僕と高月先輩が赤面して下を見た瞬間、まばゆい光が辺りを包んだ。こちらもいつも通りいきなり小テストが始まる。


 光が晴れてくると、辺りがうかがえた。どうやら今回は野外らしい。しかも見覚えがあった。何の変哲もない、高校近くの公園だった。少し広めの公園で、池なんかもあったりする。家族連れやカップルが良くいる場所だ。


「ここって輪転公園ですよね」

「そうだな」


 僕の質問に答えたのは滝川先輩だった。隣にいる高月先輩は、何か気が抜けたように目の前の池を見つめている。


「高月先輩?」


 何度か先輩を呼んでみたが、反応がない。しかたないので、肩を叩いてみた。すると高月先輩は肩を震わせて驚いていた。ゆっくりと僕へ振り向くと、高月先輩はなんとも微妙な顔をしていた。喜怒哀楽がハッキリしない、だけど少し弛んだ表情。


「高月先輩。今回の小テストは……」


 僕が質問すると、急に表情を固くした。だけど、先輩は僕から視線を反らしてしまう。


「大丈夫。ここでは何も起きないから」

「どうして分かるんです?」

「私、ちょっと飲み物買ってくる」

「え? ええっ? それってどういう……」


 僕の話を聞かずに高月先輩は走り出していた。どうしていいかわからずに僕は滝川先輩を見てしまった。滝川先輩は、目を瞑りため息をついた。


「高月先輩、どうしたんですかね」

「あぁ、あれね。きっと照れてるんだよ」

「どうしてですか?」

「今回は……」


 と言いかけて、滝川先輩は片目を開けて僕をちらりと見た。なにか意味あるのか?


「美国進の日記世界だからだ」







つーことで、今日はこれまで。

んじゃ~ね~。


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