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9/12 1:59

今回のコメント


『トロフィー』を書いている時に使っているもの


・本文を書いたテキストファイル

・登場人物のテキストファイル(随時つけたし)

・セリフ保管庫 (いつか使うかもしれない会話を書いたもの)のテキストファイル(思いついたときつけたし)

・伏線覚書のテキストファイル(随時つけたし)

・歴代部長の一覧 (エクセルファイル)

・呼称表 (エクセルファイル)

・連載に載せるためのフォームのファイル

・手書きメモ


他の連載だとログラインやプロットをかいたファイルがあったりする。



***********************************



「はかりちゃんが? 確か日記部の顧問だよね……」


 平光先生は女生徒からは親しみを込めてはかりちゃんと呼ばれることが多い。しかし、今の僕からすれば「ちゃん」付けすることすら恐ろしい。


 真実を話すことは叶わないが、これぐらい言ってもいいよな。平光先生のせいなのは間違いないし。するとタイミングよくホームルームのために担任が教室に入ってきた。沙和はぶつぶつ独り言をいいながら自分の席に戻っていった。


 噂話の速度は時として音速を超えるのかもしれない。いや、声は音だから音速は超えないんだけど、そんなイメージ。

 昼休み。沙和が僕へと走り寄ってきた。僕の肩を掴んで俯き、肩で息を切らせる。


「あのね……はかりちゃんに……直接……きいたんだけど……」

「分かりにくいから、呼吸を整えてから言ってくれ」


 僕に言われた沙和は大真面目に深呼吸を始めて呼吸を整えた。


「朝言われたこと、はかりちゃんに聞いたの。そしたらアレは、はかりちゃんなりの入団テストだったんだって!」


 入団テストと言うところに一切引っ掛からない沙和は置いておいて、平光先生があっさりと認めてくれたことに感謝した。これで高月先輩の誤解が解けるってものだ。


「私、誤解してたよ。高月先輩は何も悪くないんだね」

「誤解が解けたらそれでいいんだよ」

「私、高月先輩に謝りに行く!」


 背を向け走り出そうとする沙和の肩を僕は慌てて掴む。陸上部だからって訳じゃないと思うが、走り出すのが早すぎる。


「馬鹿、お前は全然面識ないだろ」

「そっか。夏休みのイベントでも挨拶程度だったしね」

「お前はどんだけ単純なんだよ」

「甲斐斗以上、滝川先輩以下の単純さだと思うよ」

「うわ~。その誤解も解きてぇ~」


 と言った会話が繰り広げられたのだ。たったこれだけの会話だ。



 今日の授業も終わり、教室を出た僕は渡り廊下を通り過ぎ、旧校舎へ入る。賑やかな二階三階を抜けて、四階にたどり着く。いつも静かな四階なのだが、部室にたどり着くまでに数人の生徒とすれ違った。不思議に思いながら、木製の扉を開く。


 いつもなら扉を開ける隙間から高月先輩の日記を読む姿が拝めるのだが、今日は勝手が違った。高月先輩はいつも通り日記を読んでいたのだが、滝川先輩もすでに部室にいたのだ。


「あれ? 滝川先輩、今日は早いですね」

「あ゛あぁ?」


 なぜか喧嘩腰の返事。高月先輩もこっちを見ようとしない。僕はまったく状況が読めないので、とりあえずそのままいつもの席に座る。すると滝川先輩が舌打ちをした。なにこの雰囲気。ここは回りくどく行くと、さらに傷口を広げる気がする。直接いくべし。


「な、なにかありましたか?」

「なにかだと? お前なぁ……」


 滝川先輩が立ち上がろうとしたところで、高月先輩が日記から顔を上げる。表情はまったくの無表情。いや、すこし口がへの字になっている気がする。そして高月先輩は僕に言い放った。


「よく顔が見せれたものね。てっきり、羞恥心が原因で死んだかと思ったわ」


 ええ――――っ! バッサリと斬り捨てられた――っ! な、なにか悪いことをしたのだろうか? 僕があわあわしていると、滝川先輩がため息混じりに説明する。


「はぁ~。お前、五十人退部の秘密を話しただろう」

「え? あぁ、小テストのことは伏せましたよ」

「当たり前だ。せっかく人避けができていたのに」

「人避け?」


 滝川先輩の話では、元々平光先生に高月先輩のせいにして欲しいと頼んだのは、他ならない高月先輩だったらしい。理由は輪転の誓いをこなせる男子生徒がいなかったからだ。それから男子生徒を無闇に集めるのは辞めたらしい。実はそれに関しては僕は疑問を持っていた。


「この前の中間テストといい『輪転の誓い』の力は重要なのだと思うんですが、どうしてすぐに探さなかったんですか?」





次の更新は……1~2時間後

起きていればね!


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