9/4 18:59
今回のコメント
・やる気がでなかったから、寝てしまいました。(開き直り)
・でも今は戻ってますよ~
今日はどれぐらい進むかなぁ。
目標はあるんだけど、微妙なところ。
話の進み具体としては前半部の中ごろぐらい。(全然進んでいない)
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銀行強盗の小テストが終わった次の日。僕はいつものように授業をこなす。
「ここまではテスト範囲に入るから覚えておくように」
先生の声に皆が反応してノートにメモしていく。現実世界でも中間テストの季節になっていた。僕もテスト範囲をノートの端にメモる。勉強はあまり得意ではない。得意な奴の方が少ないと思うが。学生の多くが、退屈な授業で学生生活の殆どを過ごす。だから、この時間を充実できれば、とても有意義だと思うのだが、解決方法は今だ見つからない。
授業が全て終わり、僕がいつものように変える準備をしていると、沙和が駆け寄ってくる。沙和がここへ来た理由も分かっている。二学期に入って毎日のことだから。
「甲斐斗、今日も部活に行くの?」
「行くけど」
これは日記部に入部してから毎日続く会話だ。
入部した次の日。
僕の周りには大勢の男どもが集まってきた。まるで悲しみを分かち合おうと言わんばかりに。しかし、僕が日記部に正式入部したことを知ると、「死ぬなよ」と言って去っていった男半数。「ま、マゾ」と言葉を残していくもの四割、無言で拝んでいった奴一割だった。
ただ、彼等は実際自分達がどんな境遇にあったか、覚えていないらしい。滝川先輩が言うには、平光先生の力で「怖かった」という印象だけが残っている状態だという。
すぐに男どもは去っていったのだが、沙和だけは違った。僕の席の前で仁王立ちだ。
「どうして? 今まで部活なんて嫌だって言ってたじゃない」
「そうだっけ? 先輩もいい人だし、やってもいいかな? って思ったんだよ」
すると沙和は少しかがんで、僕に視線を合わせる。睨むように僕を見る。
「高月先輩が目当てなの?」
「はぁ? ななな、何言ってんだよ」
「だって、高月先輩は私でもついつい見とれちゃうときがあるし……」
沙和、滝川先輩も仲間に入れてあげてね。ただ、僕としては高月先輩だけを日記部を続ける理由にして欲しくなかった。
「それだけじゃねえよ」
「『それだけ』? じゃあ、高月先輩も理由にあるんだ」
なぜ高月先輩に食いつくんだよ。面倒くさいなぁ。こうなったら開き直ってやる。
「わかった。わかった。高月先輩は綺麗だしな。そりゃ通いたくもなるよ」
「ふうん。そうなんだ……」
沙和は僕から視線を外し、俯いた。だから、なんで落ち込む。お前の言うとおりにしてやったのに。ホント、よく分からないなぁ。
「だから、それが全てじゃないって言ってるだろ」
「だよね! 本当は別の理由があるんだよね! あるはずだ!」
「急にテンション上げられても。だから他にも理由があるって言っただろ」
「それはなに?」
「言えない」
「はぁ? やっぱり高月先輩なんじゃない?」
「違うって言ってるだろ!」
すると、教室の隅から「痴話喧嘩なら外でやってくれよ」という声が聞こえた。瞬間的に僕と沙和は黙って下を向いてしまった。数秒黙っていたけど沙和が口を開く。
「もしかして気にしているの?」
「何を?」
「卒業式、私が言ったこと」
ええっ!? コイツ、知ってたのか! 僕が顔を上げると、目の前に沙和の瞳とぶつかりそうになった。僕は思わず仰け反る。
「知ってたのか?」
すると沙和は瞳を伏せて頷く。
「だって、あれ言った時、甲斐斗の眉が少し上がったもの」
「は? それだけで?」
「えっ……?」
顔を上げた沙和は、顔を真っ赤にしていた。しばらく口をぱくぱくさせた後、手をぎこちなくばたばたさせた。
「あれだよ! 卒業式終わって家に帰って、三日後に思っただけだから! そんな瞬時にはわからないって!」
「いや、三日後にそんな小さなこと思い出すんだ?」
「は? はぁ―――? そんなわけないし! 三日後になんて思ってないし!」
「いや、さっき言ったろ」
さらに顔を赤くした沙和。耳まで真っ赤になっている。黙って横を向いてしまった。
「甲斐斗が決めたことなら、やればいい。でも、嫌だと思ったら、辞めて良いと思うよ」
「ありがとうな、沙和」
「え……うん!」
すると沙和は屈託のない笑顔を見せた。弓なりの形の瞳に大きく開けられた口。なんだか久しぶりに、こういうやりとりした気がする。僕はちょっと楽な気持になった。
というのが入部の次の日の出来事だ。
それ以来、部活動での出来事や心配事がないか聞いてくるのが沙和の日課になっていた。
次の更新は1~2時間後(その調子だ、やればできるっ! ……はず)