8/29 5:35
今日のコメント。
どうでもいいこと~
・今日、アマゾンで頼んだCDとBDが届く~
そしてあの本も届く! 楽しみ~
「るろうに剣心 追憶編」の切なさはガチ。
「ゲームシナリオのためのSF事典」のお手軽さは手抜きっ!
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「来たか」
滝川先輩の呟きと共に高月先輩が扉を正面に僕の前に立った。にわかに辺りの緊張感が増した。同時に木造の扉は大きな音を立てて開いた。
「はろーっ! 我愛しの生徒どもよ! 元気にしてた~?」
入り口に立っている人物は野球のキャッチャーが使うようなマスクにプロテクターを着けて仁王立ちだ。高月先輩と滝川先輩は微動だにしない。明らかにおかしいだろ。
「んもうっ、折角盛り上げようとわかりやすい格好してきたのにぃ」
妙に色っぽい声を上げながら、キャッチャー姿の人物はプロテクターを外していく。すると現れたのは着物姿の大人の女性だった。
ソバージュのかかった少し茶髪気味の髪、リムが細めの眼鏡をかけて、口はだらしなく開いているけど、眼光は鋭い。間違いなく、僕はこの女性を知っていた。
生物の平光はかり先生だ。輪転高校は自由な校風だが、着物を着て登校する教師はこの人ぐらいだ。校長が注意しても意に介さない、肝が据わっているのか、空気読まないのかよくわからない人物である。しかし、生徒の人気はあるようで、よく廊下で生徒と談笑している姿を見てギョッとすることがある。
「あらあら。今日から草弥君がいるんだ。これは頼もしいわね、高月ちゃん」
「……さあ。どうですかね。今日でお別れかもしれないし」
「もうっ、高月ちゃんは悲観的だなぁ。この前のプールイベントでは良い結果がでたんでしょ?」
「お陰さまで。焼け石に水程度にはなりましたよ」
高月先輩は表情はこちらから窺えない。だけど肩に力が入っていることだけは確かだった。とは言え、僕は状況がまったく読めない。
「草弥君がポカーンとしてるわねぇ。私これでも日記部の顧問してるのね~。だから入部届けは私に出して欲しかったなぁ~」
「えっ。そうなんですか。すいません」
「素直ねぇ。そこのお二人さんも見習ったら?」
平光先生の言葉に滝川先輩と高月先輩は矢継ぎ早に答える。
「ちっ、言ってろ」
「見習ったところで勝てるわけではないですから」
「もう、すぐに勝ち負けにこだわるぅ~。勝ち負けなんてどうでもいいの。楽しい思い出ができればそれでいいでしょ?」
先輩二人は答えない。自然に沈黙ができる。平光先生は俯いて少し下にずれた眼鏡を指で元に戻す。口許はあいからずだらしなく開いている……と思った瞬間、口が大きく歪んだ。
「ぱんぱかぱ~ん! 早速ですが新人歓迎、小テストの時間で~すっ!」
はい? 小テストですと? 入部テストなんてあるの? 今度は僕が状況を読めず、だらしなく口を開く番だった。反対に先輩二人はなにか身構えるような体勢を取った。
つーことで、今回はここまで。