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8/28 0:52

今日のコメント



机と自分の間に枕を挟んでます。

なんだかピッタリ密着してないと落ち着かなくてね。


はぁ~落ち着くなぁ。

このまま寝――(自主規制)



********************



「なんで、この扉なの?」

 思わず口に出してしまった。教室の扉が引き戸ではなく、木造の両扉になっているのだ。妙に物々しい感じがして気後れした。一歩後ろへ下がる。このまま引き返しても誰も文句言わないよな、と言い訳が頭の中で響く。

 しかし、立て付けが悪いのか、はたまた僕を招き入れるつもりなのか、偶然と言うのは恐ろしい。扉から軋む音がしたと思うと、僅かに開いた。ほんの数センチだ。さらに開こうとしたので僕はドアノブを掴んで抑えた。ノブに手を触れてしまった以上、なんだか後に引けなくなってしまう。それでも僕は勇気が出ず、少しずつ扉を開いた。薄暗い廊下に明かりが差し込む。部室の中がハッキリして来る。でも、最初に視界へ飛び込んで来たのは内装ではなかった。扉の延長線上にある椅子に座っている高月先輩だった。

 慣れない光景にノブを掴む手が僅かに震える。今日は卒業式でもないよな。記念日でもないと思う。信じられない。なんでもない普通の日に女の子が泣いている光景なんて、僕の人生には存在しなかった。

 開いた瞳は潤んで鈍く光っている。口許に手をあて嗚咽を堪えると、大きな瞳は閉じられて大粒の涙が一筋流れた。膝の上には本が置かれている。本を読んで感動しているのか? ……いや違う。感動ならもっと表情が晴れやかなはずだ。明らかに何かを堪えている。口許に当てている手が唇を押さえつけるように震えていた。空いているもう一つの手は自分を抱くように片方の腕を掴んでいる。もちろん力一杯に。

 慰めなきゃ、という気持が一瞬過ぎる。しかし、体は一向に動かない。泣いている女の子を励ます勇気がない。なんと声をかけていいのかわからない。空っぽな自分に何ができるというのか。僕は俯くと頭の中で自分には資格がないと言い聞かせるので精一杯だった。このまま帰ろう。高月先輩が泣いている状況じゃあ、どのみち入部届けを出すなんて雰囲気じゃないし。逃げ道を見つけた僕は少し気が軽くなり、ドアノブを掴む手の力を抜いた。

「また泣いているのか……」

 背後で声が聞こえて僕は体を震わせ驚いた。いたずらが見つかった子供のように僕は肩をすくめた。ゆっくり後ろを振り返る。

「いつまでもこだわってどうする。もう戻ってはこないのに」

 独り言をいうように呟いたのは滝川先輩だった。ポニーテールで長身の彼女は僕と視線が変わらない。だけど、視線は明らかに僕の先にある高月先輩に向けられていた。二人に挟まれ、僕は逃げることも進むこともできなくなってしまった。でも、今なら間に合うかもしれない。「ごめんなさい」とか言って走り去れば……と、僕は体を斜め後ろへ下げようとした途端、滝川先輩が扉と僕を挟むように前に進む。か、体が密着する。

「いくぞ、賑やかし」

 滝川先輩はまたしても独り言のように呟くと、扉を勢いよく叩いた。瞬間的に音は廊下中に響き、扉が閉まった。

「わはははっ!! やっぱり来たか! 来ると思ったよ! このエロガキが!」

 僕の肩を何度も小突き、扉へぶつける。訳が分からず、僕はされるがままだった。すると、滝川先輩は僕へ顔を近づける。

「泣いている女の子を目の前にして逃げるわけないよな。少しは男を見せろよ。空元気ぐらいあるだろ、一年坊主」

 歯軋りをしながら滝川先輩は僕へと小声で話す。僕は先輩の勢いに負けて、扉に張り付いた。「ちっ」という一言と同時に先輩は僕の下腹部へ手を持っていく。

「男だろ覚悟を決めろ! ついてんだろ!」

 下腹部に向かった手は僕の禁断の花園、もとい、おもしろ玉が二つ入った袋を思いっきり掴む。僕は一気に膝が崩れ落ちると同時に搾り出すように声をあげてしまった。

「ぎいいいいいっ!」

「はははっ! 亜也に体でお礼するんだろ? これぐらいで弱音を吐くな!」

 弱音とかそんな問題じゃないから! 女子高校生にナニをアレされて、じゃなくて、女子高校生じゃなくてもアレされたら、弱音吐くって! やっぱりもうお婿に行けない!

「行くぞ、副部長自ら日記部へ案内してやるよ!」

 滝川先輩は僕の肩へ手を回して、がっちり体を固定する。「ぎゃはは!」とか言って扉を豪快に蹴り開く。観音開きの扉はけたたましい音を立てて部室内へ広がった。







やはり、文字が詰まっている……

掛け合いが書きたい!


ちょっとドライブ行ってきま~す。(早くも現実逃避)


更新は2時間後ぐらい?

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