3/20 21:05 「きらきら、きら」
今回のコメント
なんとか終わらせなければ!
やるぞ~お~!
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「今片付けます」
私は被り物やヒモを片付け始めた。
「いや、そのまま練習だ。そして今日は俺の勝利記念日とする」
社長は私と長峰さんは見渡して、うんうんと頷いた。
「ちょっと、私は社長の言うとおりにしたんじゃなくて自分の意思で――」
「そうかそうか、自分の意思で被り物を……自分からねぇ」
しまった。まんまと乗せられた。社長は文句をいう私の頭を抑えると、長峰さんに声をかけた。
「長峰もよかったな」
「……なにがだ?」
「ふふん、照れちゃって。お前もやっぱり根はマネージャーだな――」
「すまん。今日はこれで失礼する」
いつもなら余裕を持って受け流すはずなのに、今日に限っては社長の話を遮ってスタジオを出て行った。長峰さんが機嫌を損ねた? ドアを見つめる社長に抗議した。
「ほら、長峰さんも怒っちゃったじゃない!」
「……そうだな。あともう少しな気がするんだけどな」
「もう長峰さんが帰ったから、私も帰ります」
「待てい。お前は練習だろうが。ほら、俺が鹿ママ役やってやるぞ」
「お断り……アンタなんかに任せた――わわわっ!」
しまった。腰紐つけたまんまだった! 社長は片足を上げ飛び上がる。反動で私は腰から引っ張られ軽くくの字の曲がった。
「荒ぶる鹿ママの舞!」
「鹿ママは踊りません!」
私は腰紐を握って引っ張った。すると社長は空中からバランスを崩し、尻餅をついた。
「や、やるじゃねえか……」
「いや、その……勢いです」
「鹿ママ怒った! ヒヒーン!」
「馬じゃねえよ、鹿だろ!」
その夜私と社長のケンカのような練習は続いた。
更新は1~2時間後(90%)