3/18 4:47 「きらきら、きら」
今回のコメント
お腹すいたので、ちょっと小腹を満たしていました。
もう、お腹いっぱい。
ねむくなって……zzz
はっ。気絶するところだった!
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「本当に若葉は社長と仲がいいね」
私の背後から長峰さんの低くて優しい声が聞こえる。
「そんな事ないですよ。社長がいつも被り物とか鹿せんとか持たせるから……」
うぅ……誤解されている気がする。私が横目で長峰さんを確認すると、こちらをじっと見つめていくれていた。それだけで私は緊張してしまう。
気づけば今、この場所で二人きりだった。
「さっき深山が言ったことは違うよ。顔だとか体型は関係ない。選ばれたってことは合格ラインだったってことだよ。自信持って」
「そ、そうなんですか……」
駄目だ。まともな返答ができない。そうか、外見は合格ラインなんだ私。素直に嬉しいって言っていいのかな。私は胸に手を当て、ドキドキする気持ちを抑えようとする。
「被り物をする理由、本当は実力不足を愛嬌でカバーするためだよ」
オブラートに包まれてもショックを受けるよね、やっぱり……。長峰さんはやや俯いて、眼鏡の隙間から私を見つめた。素の瞳が垣間見えて、私は少し驚いた。
「君が他の二人と自分を比べて落ち込まないようにしたんだ。初めてのレッスンの後、深山に提案させてもらった。そして被り物を考えたのは深山だけど」
眼鏡を指で押し上げて顔を上げたあと、年下の私に向かって頭を下げた。
「もし、気に病んでいるのであれば、すまない。私の提案のせいだ」
私は謝罪している長峰さんを見て、反応ができなかった。どう声をかけていいか分からなかったからだ。気の利いたことを言えない情けない自分が少し嫌いになりそうだった。だけど、落ち込んでいるわけにはいかない。長峰さんを安心させなきゃ。
「あの……良いんです。私、結構被り物好きですから。意外と子供に人気あるんですよ!」
精一杯笑って応えた。すると長峰さんも頭を上げて笑い返してくれた。そして私の肩に手をかけてくれた。
「ありがとう。気を遣ってくれて。君のそういう前向きなところが良いところだと思う」
肩から、耳から、じんわり暖かくなっていく気がした。褒められたことがあんまりないせいかもしれないけど、頭が熱くなってボーっとしてくる。同時にぎゅっと手で胸を押さえた。
長峰さん、やっぱりいいな。……好きになりそう。と、考えて心の中で私は顔を振った。
「すいません、ちょっと私、そとで涼んできます」
顔が赤くなったのがバレてしまうことが急に怖くなる。自分の気持ちが見透かされたような気になったから。
私はいそいでレッスン場を出て行った。
次回更新は1~2時間後(80%)




