表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
498/539

3/16 3:39 「きらきら、きら」

今回のコメント


あれ?

あんまり話が進んでいない気がする。


結構書いた気がするんだけどなぁ……



********************************



 ちょうど皆が頼んだメニューが揃ったので食べ始めた。私は横目で長峰さんを盗み見る。普段はなかなか隙がなくてのだけれど、たこ焼きを食べると青海苔が唇についてたりして、私としてはポイントが高い。このままずっと眺めていたい気分に浸っていた。


 そうしてしばらく雑談が続いていたのだけれど、社長が手を叩いて皆の注目を集めた。


「えーっと、突然だけど来月、ライブを開催する」


 ヒミコさんと紗江子の動きが一瞬止まったけど、私は構わずに質問していた。


「へー、誰のライブですか?」

「『鈴なりディアーV』の」

「そりゃ大変だ」

「お前意味分かってんのか?」


 私は顔をたこ焼きを食べていた手を止めて顔を上げた。皆真剣な表情をしている。さすがに私も自体が飲み込めた、と同時にたこ焼きが私の爪楊枝から落ちた。


 四月から九月までの半年限定のローカルアイドルとはいえ、一月から三月までは週二回ぐらいのペースでボイスとダンスのレッスンは受けていた。受けてはいるが、人前で披露できるような代物じゃない。(私だけの話ね)


 弁天山のステージは一曲だけだし、私は後ろで鹿ママと戯れていればいいだけだった。だけどライブとなれば話は別だ。……多分。


 私が青ざめた頃、紗江子は立ち上がって、胸の前で小さくガッツポーズを決めた。


「深山社長、色物じゃなくて、ちゃんと私たちのことを考えていてくれたんですね!」

「紗江ちゃん、なんとなく酷い事言ってるよ~」

「許す! 色物っていう自覚があったところがさらに良い!」

「ありがとうございます!」


 紗江子は元々このメンバーの顔合わせで、「このグループは私にとって踏み台です」と宣言したぐらいの上昇志向の持ち主で、被り物の私がいること自体が不満だった。それだけにライブができるって聞いて嬉しかったんだろう。


「あの~、歌う曲が、ないんだけど~」

「ヒミコ、心配するな。曲はすでに頼んである。三曲ぐらいオリジナルで、あとはカバー曲でやりくりすれば何とかなる」

「オリジナルがあるんですか? すごい! 誰が作るんですか?」


 紗江子こと小娘、テンション上がりまくりだな。こっちは下がりまくりっていうのに。


「それは長峰のコネクションでだな……」


 すると長峰さんは眼鏡を指で押し上げ、目を伏せた。

 ハッキリとは聞いたことないのだけれど、長峰さんはヒミコさんと同じように、東京でマネージャーをしていたらしい。社長が自らスカウトして引き抜いたという話だ。




次回更新は1~2時間後。

後1回だけほんの少し更新予定。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ