3/2 3:00 ※久しぶりの……(録筆)
今日のコメント
今日のごはん
豚肉をいためたもの。
キャベツ。
ごはん。
以上!
二月二十九日に更新そびれた!
ということで、今載せます。
久しぶりのア↑コガレです。
決してプロット作成をサボってるわけじゃないんだからね!
本当だからね!(必死)
**************************
ア↑コガレ(特別編)
第?席「リープ記念日でア↑コガレ」
ここはいつもの亜古河鈴高校。
二年三組の教室へ猛ダッシュで駆け込んでくる人影があった。
肩まで伸びた髪を揺らせて、かごめは加奈、彩香、まどかの元へ飛び込んだ。
「大変、大変、大変、大変~!」
「うるさいのがまた来たよ」
加奈のため息も関係なく、かごめは息を切らせて加奈の机にぶつかる。
息を整えたかごめは三人に向って話し始めた。
「加奈ちゃん達、聞いて! 今日は大変な日なの」
メガネを光らせツッコミタイミングを見逃さない加奈。
「お前はいつも人生崖っぷちで大変だろうが」
「人を『二時間サスペンスの女王クライマックス盛り』みたいに言わないでよ!」
「言ってねえし!」
彩香は「なんて素晴らしいボケ」と言って、かごめの頭を撫でた。デレデレするかごめをスケッチブックでスケッチするまどか。
三人をみて加奈は盛大なため息をついたあと、話を続けた。
「……で、一応聞いてあげる。何の日なの?」
するとかごめは腰に手を当て胸を張った。
「今日はリープ日なんだって!」
「……」かごめを無視してスケッチを続ける、まどか。
「あらあら」と言いながら全然驚いていない、彩香。
「えっ!?」と、わざとらしく驚く、加奈。
いまだ胸を張っているかごめに加奈は恐る恐る尋ねた。
「リープの日……って言ったよね?」
「うん、だから大変なんだよ!」
加奈は下にずれたメガネを上げた。
「……で?」
「『で?』って?」
口を歪ませて嫌味たっぷりに加奈は答えた。
「リープって何? 人? 物? 犬?」
すると一気にかごめの顔が赤くなった。
恥ずかしくなったのではない。一応、怒っているのだ。
その証拠に口で「ぷんぷん」と言っている。
「リープ様を馬鹿にしたな……この世界の唯一絶対神なのに!」
怒鳴るかごめを冷めた目つきで見つめた加奈は「ふっ」と鼻を鳴らして横を向いた。
「……でな、まどか」
「加奈ちゃん、待ってよ! 話聞いてたの? 神様なんだよ? 罰が当たるよ」
「はぁ? お前こそ何って言ってんだ。そんなに言うなら何か起こしてみろよ、ほらほら」
加奈はかごめの前に顔を出し、みずからを指差し、挑発している。
肩を怒らせて震えるかごめ。
「ううぅ……リープ様を馬鹿にして! リープ様、このメガネに天罰を与えたまえ!」
かごめが叫んだ瞬間、校舎の外で突然雷鳴が轟いた。
全員の視線が外へ向いた後、ゆっくり視線を戻す三人。
「覚悟しなさいよ、加奈メガネ!」
加奈は眉をひそめて、ツッコミ体勢を整えたが、言葉がすぐにでない。
戸惑っているうちに、スケッチブックを破り捨てた女の子が一人。
「メガネって言わんといて! っていうか、私はメガネかけてへんに!」
「私のツッコミを代わりにまどかが言った! しかも言葉遣いが東海地方のごく一部の方言になっている! 何これ? 無駄に特徴が増えてる!」
加奈の驚きに今度は「ふん」と鼻を鳴らしたのはかごめだった。
「リープ神はどうにでもできるんだよ。きっとツッコミの座をまどかちゃんに譲るつもりなんだね多分。うん多分」
加奈は自分の存在意義を奪われたような焦燥感に見舞われ、思わず席を立つ。
「ふざけんな! そんなにも絶対認めない……ニャン」
言葉を言い切った後、一気に赤面する加奈。
「――なっ……ニャン」
「リープ様がお怒りじゃあ! 加奈カナの語尾にニャンをお付けになった!」
あたふたと手を左右に振って弁解するが、語尾のニャンは相変らず健在である。
「そんなわけないニャン! ち、違うニャン! かごめがなんかしたに違いないニャン!」
「ふふふ、リープ様を怒らせたからじゃ~」
腕を組んで頷くかごめ。その隣でしょんぼりする彩香。
「あの……私は~なにも怒らないのね……」
彩香をとりあえず放置して、かごめは腕を上にあげて、人差し指を立てた。
「我はリープ様の預言者なり!」
「なんでやねん! アンタ、別に預言してへんやん!」
「まどかのツッコミが変だ……ニャン」
「さぁ、崇めよ! リープ様を敬っちゃって! 二月二十九日はリープの日なり!」
すると、かごめを除いた全員の動きが止まる。みんなが彼女を見つめる。
「何言うとんの?」
「は? ……ニャン」
「私は何も変わってないんだけど?」
まだ抗議する彩香を除いて、馬鹿にしたような視線をかごめに向ける。
意味がわからず首をかしげるかごめ。
「おい、かごめ! ニャン」
「なんだね、加奈にゃん」
「加奈にゃん言うなニャン! あのな、今日は三月二日だニャン!」
「そうやで。日が変わってるやん」
「変わってない。私は変化なし……ぐすん」
ようやく間違いに気づき、唇を振るわせるかごめ。
涙目で皆を見渡したあと、恐る恐る言った。
「ええっ!? ……ってことはひな祭りイブ?」
「ポジティブに解釈するにゃニャン! 間違えは認めろニャン!」
「やーい、やーい、間違っとるやん。恥ずかしい~」
「ごめんなさい。私だけ変わってなくてごめんなさい」
かごめの元とへ「とにかく設定に戻せ」と詰め寄る三人。彩香だけは変わってませんよ~って訴えている。
三人に圧迫されるかごめ。どんどん後退する。
「そんなに私に詰め寄らないでよ! 押さないで、お~さ~な~い~で~!」
教室の窓まで追い込まれたかごめは、皆に押されて、下へ真っ逆さまに落ちた。
「あーっ! リープ様~」
体を一瞬震わせ、目が覚める。
すると、かごめは自分の部屋にいる事に気づいた。
「――はっ。夢か……」
ドアの外から何度もノックしされながら、妹の瑠璃の声が聞こえてくる。
「お姉ちゃん、早く起きてよ~!」
「あ~ごめん、ごめん、すぐ起きるニャン」
かごめはベッドから起き上がる。さっきの夢の内容をちっとも覚えていない。
「お姉ちゃん、ふざけたこと言ってないで、ちゃんと起きてね~!」
「わかったニャン」
口に出して思わず手を当てる。
「気のせいかニャンが取れないニャン……」
と、呟いたものの「まあいいか」と思いなおし、部屋を出て行った・
リープが夢オチに変えたのをかごめは知らない。
第?席 終わり。
今日はここまで。