表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
473/539

2/26 3:18 『永遠なるもの』

今回のコメント。


ラスボス木崎戦なのに少し話がずれているような気もしなくもないですが、

そ れ は 気 の せ い で す 。

(自分に言い聞かせている)

さぁ、書こう!



***********************************



 私はしゃがんだままこっちを伺ってたデブリの襟首を引っ張り立ち上がらせる。


「デブリ。私の願いをいうよ」

「ここで?」


 驚いているデブリに木崎が口を挟んだ。


「何言ってるの? 緑川君がアンタの言う事を聞くわけないでしょ」


 今は木崎に構っている暇はない。私はデブリをしっかりと見つめた。


「木崎の目の前でやらないと意味がないんだよ。デブリには辛いかもしれないけど、頼む……」


 デブリはしばらく私を見て動かなかった。彼の瞳の奥にはちゃんと光が宿っている。


 そして決心がついたのか、デブリは私を見てゆっくりと頷いた。

 私は木崎を一瞥すると、デブリに向けて話を続けた。


「願いは二つあります」

「ええっ!? 二つは無理だよ」

「いいから最後まで聞いて」


 少し呆れたような顔するデブリ。私は小さく舌をだした。真剣なこの場面で二人の間に少し和やかな空気が流れた。いいツッコミするじゃないデブリ。彼は少しだけ肩をすくめた。


「わかった。なにか考えがあるんだね」

「馬鹿の願いは聞かないでいいから! 賢い緑川君なら分るでしょ?」


 木崎はデブリに近寄ろうとするけど、私が肩で押して近づけようとさせない。


「願いの一つ目は、デブリ、アンタ自身が元の姿に戻ること」


 一瞬、デブリと木崎の息を飲み込んだような間を感じた。自分の幸運を望んだわけでも、世界を変えたいわけでもない。ただ普通に考えた末の結論だった。


「……何言っているんだ。僕の事なんてどうでもいいんだよ! もっと君自身のことに使うんだ」


「ほら見なさい! くだらない願いね。緑川君の自己犠牲をコイツは理解していないのよ! 私なら緑川君の思うような願いを言える! 大切な人を幸せにしたいんでしょ?」


 ごちゃごちゃとデブリと木崎が、わめく。私はあえて口角を上げて、二人に向けて不敵な笑みを向けた。


「うるさい。これが私自身の願いよ」


 二人の動きが止まる。私の言葉の意味が伝わっていないようだ。


「デブリ、アンタ言ったよね。好きな人には笑っていて欲しいって。だったら私も言うわ。デブリ、アンタには笑っていて欲しい」

「大木さん……」

「自己犠牲もいい加減にして。もっと自分の思いをちゃんと相手に伝えなさいよ」


 デブリは口を歪ませたまま、一二歩後退する。私は逃がさないように彼の両肩を掴んだ。


「だいたいアンタ、本当に自分が脇役だとでも思ってたの? 人との繋がりさえ諦めなければ、誰かは誰かの主役になる可能性もあるんだよ。真実ちゃんにとっては、あんたが主役だった。真実のサンタだったの」


「緑川君聞いちゃ駄目! コイツの狙いは私を不幸に陥れたいだけなの! 分るでしょ? 私が不幸になるのよ。この私が!」


 木崎がなにか叫んでいるけど、デブリはもう彼女を見ていなかった。少しはマシになってきたじゃない。これでもう一つの願いを言う甲斐があるってもんだわ。


「そしてもう一つ願いを言うね」





次回は1~2時間後。(100%)

やはり高確率。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ