2/26 1:16 『永遠なるもの』
今回のコメント。
自分のなかで結論が何回もころころ変わるので、もう載せることにしました。
とはいえ、最後までは完全に書ききってないので、できた分だけですけど。
録筆じゃないですが、どうぞ~
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「リベンジに来たのよ。アンタと私の過去に。文句ある?」
ちらほら雪が降り出してきた。ロマンチックなはずなのに私には、戦いの合図のような気がしてた。
意地と意地のぶつかり合いと言えば確かにそうだった。だけど私にすればかなり違う。私の宣言を聞いて木崎は心底馬鹿にしたような薄笑いを浮かべた。
「私に復讐? はぁ? 笑わせないで」
昨日会った時は、確かに彼女の姿が、自分の過去を背景に自信ありそうな感じに見えた。今だって木崎は腰に手を当て、胸を張って私に言葉を投げかける。
「言ったでしょ? 貴方じゃあ私には勝てないって」
だけど由実との電話以降、今は彼女の印象は少し違う。自信という言葉は適当でない気がした。自分の過去に対する負い目を感じて、背水の陣をひいているに過ぎない印象だ。自分の傷を隠そうと必死にみえた。
それは過去とぶつからないように避けてた私とは反対の印象だけど、根本は同じような気がした。
笑みで挑発する木崎に私も笑みで対応する。今は負けられないんだ。
「確かに木崎は私より不幸な環境で苦労の連続だった。それは断言できる」
木崎の表情は変わらず、笑みは消えない。
昨日、私は木崎の言葉に上手く反論が出来なかった。なぜなら「その通り」だと思ってしまったからだ。確かに木崎に比べたら私の人生は小さなものに見える。でも……
「だからって私は負けたと思わない」
比べたところで私の人生自体の価値がなくなるわけじゃないから。ここはハッキリとしておきたかった。自分自身に向けてもね。
私の言葉を木崎は鼻で笑った。
「なに? 負け惜しみ?」
彼女の挑発には乗らない。私はきちんと気持を伝える事にした。
「人の言葉で価値が乱高下するような人生は過ごしていない。そして木崎の踏み台にされる覚えもない」
「昨日に比べたら言うようになったじゃない。だけど、アンタの人生なんて踏み台にもならないけどね」
私を馬鹿にしたような態度、彼女の表情が変わらない。少し不安になる。心が折れそうな気がした。彼女には何も届かないかもしれない。自信がなくなっていく。
そんな時、私は携帯をしまったズボンのポケットにそっと手を触れる。
――力を貸して。
私は心の中で呟いた。
「私を誇りだって言ってくれた友達がいた。だから心強いし、負ける気がしない」
「はぁ? 友達?」
一瞬眉間に縦のシワが入る。初めて木崎表情に変化があった。だけどすぐにさっきまでの薄笑いが戻る。本当に通じないのか、言葉には表れてこない。
次回は1~2時間後。(100%)
録筆じゃないけど、必ず。




