2/24 3:00 『永遠なるもの』(録筆)
今回のコメント
すっかりクリスマスらしい雰囲気は文章から伝わってきませんが、気にしない気にしない。
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私はうたた寝のつもりだったけど、ぐっすり寝ていたらしい。夢を見ていた。
真実ちゃんがいる公園の入り口に立っていてた私。ベンチをみると女の子が座っていた。一目で真美ちゃんではないことがわかる。だって、その子は昔の自分だから。
私はゆっくりと近づく。きっと彼女は無理に笑いかけるだろうと思っていた。そして昔の私は振り返った。すると彼女は大粒の涙を流していた。なんだ、泣けるじゃん。私は彼女へ近づいた。潤んだ瞳は空からの光と混ざって綺麗だった。こんな顔もできるんだ。そして私は彼女の頭をなでた。
「もう置いてはいかないから」
私は自分の過去を抱きしめた。もう離さない。絶対に。大切にするからね。
目が覚めると、まだタクシー中にいた。窓の外はすっかり暗くなっている。すでに街中ではなく山中を走っているので、明かりらしい明かりはなかった。華やいだ雰囲気とは逆だった。デブリにもたれかかってたことに気づくと、私はゆっくりと体勢を立て直した。
「もうすぐ着くらしいよ」
デブリはシワだらけの顔をこちらに向けて笑った。だけど顔が引きつっていて上手く笑えていない。私は少しボーっとしながら、チョップをくらわせた。
「痛いっ! いきなりやめてよ」
「緊張してたから。もっと自信をもちなさいよ。主役のクセに」
ちょっと眠ったおかげか、私は元気を取り戻していた。頭の中もハッキリしてきた。これならなんとかなりそうだ。携帯を見たらメールの着信があった。送信元は由美だった。
「頑張れ」とたった一言。
彼女らしいメールといえばメールだった。返信は後でしよう。この先だって私の人生は続くのだから。「もう覚悟決めたし」と心の中で返答して携帯を閉じた。
「お客さん、もう限界ですよ」
タクシーがゆっくりとスピードを緩めた。ヘッドライトが照らす先には金網が張り巡らされている。すこし右側には『関係者以外立ち入り禁止』と書いてある看板と金網でできた門が設置されていた。
門の前には人影があり、こちらへゆっくりと歩いてきた。
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