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8/24 23:44

今回のコメント


・まだ寝てないんだかねっ!(誰も気にしていないだろう)


・ああっ、コーヒーがなくなった!

ウーロン茶でがまんするか……(贅沢)



***********************************



「うっ、うええええっ……」

 胸からこみ上げてきた異物感に耐えられなくなって、僕は口から液体を吐き出した。何度も咳をして、僕は意識を取り戻す。背中には生暖かい感覚。気づけばプールサイドで寝転んでいた。目を開けようとしたが、空の眩しさに再び視界を狭めた。さっきまでの生命の危機が嘘のようだ。耳にはセミの鳴く声と遠くからプールの水しぶきが聞こえる。あぁ。このままじっとしていよう。僕は完全に目を瞑った。まぶたを閉じても日光は明るく照らした。

「亜也に助けられるとは、情けない男だな」

 甲高いの声と共にまぶた越しの光が遮られた。誰かが覗き込んでいるようだ。

「しょうがないよ。初めてだったし」

「それにしてもさすがは五十九期生……天野つばさの……だな」

 耳にも水が入ったのか、声がぼやけて聞こえる。しかし、話しているのは女の子二人だっていうのはわかる。

「問題は試験結果だな。確認するか?」

「今日が終らないと確認できないって」

「まったく不便だな。……ってヤツは」

 話の筋が見えない。

「小テストは終ったんだ。私は少し泳いでくる」

「わかった。私は……」

 僕の隣に誰かが座る気配がした。

「試験勉強か。まったく勉強熱心だな……それとも」

「夕実、お願い」

「わかった。じゃあ、私は行くぞ」

「うん」と腰かけた女の子が返事をした後、もう一人は遠ざかっていった。

 また、夏の風景が戻ってきた。せみの鳴き声とプールの水しぶき。僕は気絶していて、隣には女の子が座っている。とてつもなく夏である。緊張の夏である。なぜか今、一瞬静かになった気がする。

 どれぐらい時間が経ったのだろうか。完全に起き上がるタイミングを見失って僕は寝転んだままだ。寝ているせいで体全体が日に焼けて火照っている。今日お風呂に入る時はきっと体全体が痛いのだろうなと考える。すると時折ページをめくる音が聞こえる。本当に試験勉強をしているのか。それにしても幼馴染以外でここまで近くに女の子がいるなんてシチュエーションはそうそうない。僕は少し緊張して体を固くした。緊張したのは一部ではなくて、体全体だからな。その辺りはハッキリしておく。

「いったい――」

 不意に隣から声が聞こえた。次の瞬間、僕の鼻がつままれた。

「いつまで気絶しているつもりかな? 君は」

「ふごっ!」

 つままれた鼻は吊り上げられ、僕は盛大に豚鼻を鳴らしてしまった。ひぎぃ、恥ずかしい。つーか、バレてた!




更新は1~2時間後(定着してきたねこれ)

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