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2/19 6:27 『永遠なるもの』

今回のコメント。



終盤の台詞は結構前から断片だけありました。

やっと使用できて満足です。



***********************************



「裏切りものって言われたよ……もう、僕はお払い箱なんだってさ。永遠の場所にも連れて行ってもらえなくなった」


 淡々としたデブリの口調に、私はすぐに返答が出来ない。そしてデブリの話は続いた。


「でもさ『二つの願いは絶対に譲れない』って言ったよ。そしたら暴れちゃって、部屋が滅茶苦茶だよ」


 ここまで言い切った後、デブリはコチラを向いて、言葉を付け加えた。


「僕もこれでエキストラから脇役に昇格できたかな? 木崎さんへ台詞も言えたし」


 涙目でこっちをみている。昨日は無茶苦茶になった部屋を一人で片付けてたんだな。考えの中心だった木崎に反抗して、放置された寂しさと戦いながら。

 今度は私が応える番だ。素直に言う事にした。


「よく、頑張ったね」


 するとデブリの目から涙が流れた。きっと緊張の糸が切れたんだろう。今まで随分気を張っていたんだと思う。デブリは声を震わせながら私に言った。


「……うん。ありがとう。もう木崎さんのことは忘れることにするよ」


 今までの私なら適当に慰めたのかもしれない。だけど、今回は少し違った。


「簡単に諦めちゃ駄目。木崎の気持ちを本当に救えるのはアンタかも知れないんだから」

「大木さん?」

「今度は脇役じゃなくて、主役になるのよ」

「でも、僕じゃあ役に立たないよ……」


 また弱気の虫が出てきたか。これはハッキリ言っておくべきだろう。

 私はデブリの前まで歩いていき、目を伏せていたデブリのおでこを突いた。


「はぁ? アンタは何者なの?」

「何者?」


 おでこを赤くしながら、デブリは私を見つめる。本当に答えが分からないようだ。だったら教える必要がある。私は勇気付けるため、大袈裟に口角を上げ、笑顔で応えた。


「アンタ、三田 (サンタ)なんでしょ?」

「僕がサンタ?」

「今日は十二月二十四日。アンタが主役になれる日でしょ?」

「僕が……主役?」


 目を大きくして呆然とするデブリ。しばらくして、手を左右に振って、無理とアピールした。だけど私はそんなの却下する。せめて今日だけは諦める事を諦めなさい!


「私に考えがあるから任せて」

「そんなこと本当に……」

「アンタは自信さえ持ってればいいの。主役なんだから」


 私が睨むように顔を近づける。今度のデブリは視線を逸らさなかった。ゆっくりと私に向けて頷いた。


「でも、その前に一仕事あるでしょ?」


 すると、デブリは頷いた。


「真実ちゃんだね」





とりあえず休憩します。

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